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こぐま会の教育は、3つの考え方によって支えられています
3.「対話教育」の実践

考え方の根拠を自分の言葉で説明できるようになれば、その理解は本物です
- 対話による理解度の確認 -

 私たちが「対話」を大切にするのには2つの理由があります。

一つは、子どもの認識レベルを確認するためです。例えば、教室で「色板カード」(,,の形のカード/各4色、計12枚)を使って仲間あつめをさせると、子どもたちはそれぞれ色で分けたり、形で分けたり、角の有無で分けたりします。その中で、同じ色どうしで仲間あつめをした子に、「どのように分けたのですか?」とたずねると、ある子は「これは黄色でしょ、これは赤でしょ・・・」と、1グループごとに指差して、それぞれの色を答えます。またある子は「色で分けた」と答えます。分類の観点を説明するのに、色の名前を一つ一つ挙げていくのか、それとも「色」という上位概念で捉えることができるのかということです。また、2枚の絵の違いを指摘する問題の場合、違うところを指差して「こことここが違う」とだけ言う子もいれば、「左の子は右手を結んでいるのに、右の子は右手を開いたままにしている」と説明できる子もいます。このように、認識と言語は結びついているものであり、認識のレベルを確認していくためには「言語」を媒介としたやりとりが必要なのです。

もう一つは、考え方の根拠を言語表現を通してはっきりさせるためです。ある課題に対して10人全員が正解したとしても、そこには子どもなりの10通りの考え方があります(→室長のコラム第303号)。正しい考え方で解いたのか、偶然解けただけなのかを確かめなければなりません。また、一人一人の子どもがどこまで理解し、どこで分からなくなっているのかを把握し、適切な言葉がけや、必要であればその子に見合った課題の提示など、理解度を引き上げるためにどんな働きかけをすればよいかを考えなくてはならないからです。

このように、私たちはどんな課題においても「なぜ、そうなりますか?」と常に質問し、答えの根拠を説明させるようにしていますが、一方で言葉にならない、身振り手振りも言語化への過程の重要な一段階として評価しています。幼児教育は、黒板と教科書があれば可能な小学校以降の教育とは異なります。学習した内容をより発展性のある認識として定着させるためには、発達的観点から見ても言語を介することがとても重要なのです。

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