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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

こぐまオリジナル教材で学習されている皆様へ

第796号 2021年12月24日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 今や小学校受験をされる皆さまの教科書的役割を果たしている「ひとりでとっくん100」シリーズは、制作に20年間かけて2005年7月に完成し、その年の11月からは、学習の順序性を踏まえた「ひとりでとっくん365日」の刊行も始まりました。当初はこぐま会の会員さま向けに作成した家庭学習のための教材でしたが、渋谷の大盛堂書店での取り扱いを皮切りとして、紀伊國屋書店を中心に全国の書店に置かせていただけるようになり、2006年12月には全国100店舗で扱われるようになりました。受験生だけでなく幼児教育に関心のある大勢の方々の支持を得て発行部数も順調に伸び、2021年12月現在、全国220店舗にまで拡大しています。最近では、こぐま会の恵比寿本校からほど近い、代官山 蔦屋書店にも置かせていただいています。1号館の2階には、広くゆったりとしたスペースに、絵本をはじめ、幼児・児童向けの参考書などが並んでいますが、その一角にこぐま会のオリジナル知育教材の棚を準備していただきました。幼児向け絵本・学参・図書が大変充実していますので、ぜひ一度足を運んでみてください。こぐま会の教材以外にも多くの商品が揃っています。

ところで、私が仕事や講演会でいろいろな方と名刺交換をする際、初対面の方から「娘が受験する際、こぐま会の教材に大変お世話になりました」「息子の受験の際に、恵比寿は遠くて通えないので近くの塾で勉強していたのですが、その塾でもこぐま会の教材を使っていましたし、家庭学習用に『ひとりでとっくん』を勧められました」といった声をたくさんいただいてきました。私たちが開発した教材・教具が実際に使われ、学習に役立てられているというお話を伺うと、市販した意味があったと嬉しい気持ちになります。

受験対策のために作ったわけではない教材が、小学校受験の教科書のように使われていることを思うと、小学校受験は特別な教育を必要とするのではなく、教科学習の基礎が求められているということがよくわかります。「ひとりでとっくん100」シリーズや、それに続く「ひとりでとっくん365日」は、受験に関係なくどの学校に入学するとしても幼児期にぜひ身につけておいてほしい内容を「未測量・位置表象・数・図形・言語・生活他」の6領域にまとめ、教室での授業と連動して作成したものです。この内容は、受験に関係なくどの学校に入学するとしても幼児期にぜひ身につけておいてほしい内容を、教室での授業と連動して作成したものです。決して過去問を並べたものではありません。そうした内容が小学校受験で出題されているということは、小学校受験で問われる内容がかつての知能検査的なトレーニングのみで解決する問題から、「教科学習の基礎としてぜひこれだけは・・・」という観点で作られるようになったことの証です。「まともな教育で受験を・・・」と訴えてきたこぐま会にとって、受験のための準備教育が正常化していく願ってもないチャンスだと思っています。受験教育が特別な訓練の教育ではなく、まともな幼児期の基礎教育として行うべきだという私たちの考えを後押ししてくれています。

今年受験し、難関校に複数合格したお子さまの中には、塾にはどこも通わずに、こぐま会の教材だけを使ってご家庭で学習してきた方もいらっしゃるようです。先ほども述べましたが、こぐま会の教材の中で最も支持されている「ひとりでとっくん365日」は、教室での1年間の学習進度に沿って作られています。ですから、問題も基礎から応用へと配列されており、家庭で学習しやすいようになっています。また、カード教材である「ひとりでとっくん365日おけいこカード」も連動して作られていますので、具体物・カード・ペーパーの順に使って学習すれば、教室で行う3段階学習法に近いやり方でご家庭でも学習できます。また、学習内容と関連した過去問を集めた問題集も、昨年度「SHOPこぐま」 「こぐま会ネットショップ」 限定教材として作成しましたが、来年以降それをより使いやすいものとして整理し、市販できるようにしたいと思います。

たくさんある幼児教材・受験向け教材の中で、こぐま会の教材を支持してくださる方が多いのは、教材づくりの原点が教室での指導にあるからだと思います。それはつまり、子どもが理解する道すじに合っていて、それがご家庭でも使いやすいということに繋がるのでしょう。根拠のない発想や、受験に出題されたから・・・ということで作られた系統性のない問題集では、子どもの考える力を育てることはできません。私たちが重視する「学びの系統性」は、大人が想像する以上に幼児期の子どもたちにとっては大切な視点です。昨年度は1年間かけて、114の学習課題を「こぐま会Webレッスン」として撮影し、会員の皆さまに教室授業の復習用教材として活用していただいています。商品化するにはまだ時間がかかりますが、これが完成すれば教室以外でも「こぐま会の教育」を受けていただくことができるようになります。ただ、幼児教育の基本は対面授業ですから、オンラインのみの学習は考えていません。オンライン学習を有効なものとするための仕組みづくりを考えなくてはなりませんから、実現までにはまだ時間がかかりそうです。


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