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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

年中4月からの正しい受験対策

第762号 2021年3月31日(水)
こぐま会代表  久野 泰可

 4月から年中に進級する子どもたちの保護者の皆さまを対象に、少人数での「受験対策セミナー」を3月28日に実施しました。40名定員の「こぐまクラブ」でのセミナーですが、コロナ対策を徹底し、人数を半分の20名に絞り込んで行いました。今回のセミナーでは、来年秋の受験に向けてどんな方針で受験対策を行ったらよいのかを具体的にお伝えしました。

最初に授業中の様子を記録した映像をご覧いただきました。事物教育対話教育が、ペーパー学習と違ってどんな風に行われているかを知っていただきたいと思ったからです。そのあとでレジュメに沿って1時間ほどお話しさせていただきました。その内容は以下の通りです。

1. 昨年の入試はどう変わったか
試験日程やテストの内容
2. 大学まで見据えた教育改革の方向性と幼児教育
  1. 知識偏重の偏差値教育からの脱却
  2. アクティブ・ラーニングはなぜ必要なのか
  3. AI社会の到来と幼児教育の重要性
3. 入試で問われる典型的な問題
考える力はどのように求められるのか
4. 行動観察が重視される背景
  1. 非認知能力の重要性を学校側はどんな方法で見ようとしているのか
  2. ある学校の2020年度と2021年度の出題内容の違いから何を読み取るか
5. こぐま会3つの教育理念と3段階学習法
  1. 3つの教育理念:教科前基礎教育/事物教育/対話教育
  2. 3段階学習法:「体を使い・手を使い・頭を使い」
6. 年中4月からの受験対策
  1. 学校が望む子ども像・家庭像
  2. まともな教育方法で受験に臨む
  3. どのように学習は進んでいくのか
  4. 対面授業とWebレッスンの併用

コロナ禍で行われた昨年の入試について、試験日程や入試方法をお伝えした後、以前と変化した観点として以下の2点を挙げ、その具体的な内容についてお伝えしました。
  1. 難問は減り、基本問題が多く出された
  2. 行動観察に変化が見られた

そしてそうした変化が、単にコロナ禍というだけでなく、大学入試改革にみられる日本の教育の方向性とその中における小学校教育の変化によって、小学校入試も大きく変わる可能性がある点にも言及しました。
知識偏重の教育からの脱却や、アクティブ・ラーニングの必要性が叫ばれる背景にある、AI社会の到来と幼児教育改革の要請は、必ず新しい入試の在り方を求める結果につながるのではないかと思います。

これまでの入試で問われた典型的な問題をご紹介し、一緒に解いていただくことを通して、何が求められているのか実感していただき、学校側の意図を考えてみました。「考える力」が必要だということの意味を理解していただけたのではないかと思います。最近重要性を増している「行動観察」については、2020年度と2021年度の内容を比較して解説し、コロナ禍の行動観察がどう工夫して行われたかを分析し、同時に行動観察で求められているものが何であるかを、面接試験との兼ね合いで分析しました。

最後にこぐま会の3つの教育理念である、「教科前基礎教育」「事物教育」「対話教育」について説明し、具体的指導法である「体を使い、手を使い、頭を使う」という3段階学習法を解説しました。その上で、年中4月からの受験対策が「将来の学習の基礎を育てること」につながるようにするための心構えについてお伝えしました。

参加された保護者の皆さまからいただいたアンケートを拝見すると、

「ペーパーだけでなく、事物を扱った教育の重要性、基礎が大切であることがよく分かった。このような情報を得る機会が少ないので大変参考になった」
「ペーパーだけでない具体物教育が大切との事。ハッとさせられました」
「受験勉強に関し『将来意味のある教育』というところに安心しました」

多くの皆さまが抱いている「小学校受験は、ペーパートレーニングをどれだけやるかで決まる」といった考え方ではこれからの入試には対応できないということが、具体的な問題分析を通してご理解していただけたとすれば、こうしたセミナーは意味があるものだと思います。1年ぶりに行った対面でのセミナーでしたが、今後もこうした「受験対策セミナー」を実施していくつもりです。

 こぐま会代表 久野泰可 オンライン講演会のご案内
「 幼児期に大切な10の思考法 」
2021年5月8日(土) 10:00~11:00 LIVE配信!(無料)
【講演内容】
1. 今なぜ幼児教育に関心が集まるのか
2. 幼児教育に新しい風を - こぐま会の実践 -
3. 生活や遊びを通して「考える力」を育てるために
※ご視聴にはお申し込みが必要です
※後日録画配信はありません

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