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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

セブンステップスカリキュラムがスタートしました

第781号 2021年9月10日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 都内の入試まで残すところ2カ月足らずとなりました。今年の受験生は、コロナ禍での2回目の入試になりますが、昨年以上に厳しい環境の中での受験になりそうです。昨年の今頃、来年は今まで通りの入試ができるのではないかと思っていましたが、今年も収束する見通しのないまま受験を迎えることになりそうです。第5波の感染状況は下降線をたどっているようですが、いつまた第6波が来るかもしれませんし、そうでなくても11月は急に寒くなったりする季節の変わり目で、感染症がはやる時期でもありますので、子どもの健康管理には相当神経を使ってきたはずです。そのうえ、現在は幼児でもコロナに感染する事例がたくさん報告されていますので、我々指導者も気が抜けません。すでに面接試験が始まっている神奈川県では昨年と大きな変化は見られませんが、口頭試問の質問事項を見ると、コロナ禍でどのような生活を送っているかに関する質問が工夫されて出されています。特に子ども自身に発言させる問題が工夫され、コロナ禍における子どもの表現力が試されているように思います。以前一度このコラムでも書きましたが、マスクをしたままの授業では、以前と比べて発表力が相当落ちているように感じています。マスクが話さなくても済む都合の良い道具になってしまわないよう、ご家庭ではできる限り発言させる機会をつくってあげてください。これから入試までの効果的な学習法は、まず各領域の基本をしっかり復習することが大事ですが、全体を通して言える効果的な学習法は以下の通りです。
  1. 聞き取り練習を毎日続ける
  2. ペーパー問題で間違えた場合は、どんな質問であったかを確認する
  3. 答えの根拠を説明させる
  4. 暗算練習は毎日5分でも行う
  5. 線や丸を書く際に、筆記用具をしっかり持って明確に書く練習をする
  6. 毎日何枚ペーパ―をやったかではなく、テスト形式で1コマ30分(大体10枚)のペーパートレーニングにいかに集中して取り組めるかに注力する
合否の最後の決め手は、聞く力・集中力です。それをこれから入試までの間に、試験の実態にできるだけ近づけて行うには、上に示したような工夫が必要です。最後の総まとめをしっかり行ってください。

さて9月に入り、こぐま会ではセブンステップスカリキュラムでの学習がスタートしました。これから来年10月まで、次のような予定で受験に向けた学習が始まります。

年中9月~年長3月:基礎学習の段階(ステップ1~4)
年長4月~7月:応用段階の学習(ステップ5~6)
年長9月~10月:総まとめ(ステップ7)

年間42単元を毎週1回ずつ、系統化されたカリキュラムで学習を進めていきます。事物教育対話教育を通して子どもたちの「考える力」を育て、その延長上に受験対策を行っていきます。最初からペーパーを使って過去問を解く練習は行いません。子どもたちがものごとをどのように理解していくか、長年の研究と現場での実践に裏付けられたカリキュラムで1年間かけて学び、入試本番を迎えます。事物教育を通して試行錯誤する時間を大切にしながら、自分で解けたという実感を持たせ、前向きな気持ちで物事に取り組める子どもを育てたいと思っています。受験対策は特別な教育ではありません。こぐま会では、しっかりとした考え方に基づいた幼児期の基礎教育の上に受験対策を行うシステムを作り上げています。そして懸案だった家庭学習と教室授業との連動は、昨年から1年間かけて作り上げてきた「こぐま会Webレッスン」を活用し、教室と同じ方法でご家庭でも学習ができるようにしました。コロナ禍で「学びを止めない」ためにいろいろ経験した結果の産物ですが、対面授業とオンライン授業との組み合わせで学びの効果を最大限にできるように工夫しました。セブンステップスカリキュラムの単元は42項目ありますが、Webレッスンは全部で114回としました。1つの学習単元を2~3の細かな課題に分け、その一つひとつについて、具体物やプリントを使った学習を組み合わせています。そして最後に、保護者さま向けに学習のポイントをお伝えするという構成になっています。幼児期の教育に必要な繰り返しのトレーニングが、このWebレッスンで可能になりました。教室での指導と家庭学習がうまくかみ合えば、学習効果は絶大だと思っています。

間違った受験対策の結果、子どもたちから輝く目を奪ってしまわないようにしなくてはなりません。来年受年される年中児の皆さまは、前向きな気持ちで学習がスタートできるように環境を整えてください。その環境の中で一番大事なのは、親子関係・教師との関係といった「人間的な環境」です。ここがうまくいかないと、せっかくの努力が実りません。合格させるためにはどんなことでも許されるという大人の勝手な思い込みは、子どもにとって大事な成長の芽を摘み取ってしまう結果になりかねません。「何のための受験か」をもう一度考え、子どもの成長のために正しい受験対策をお願いします。

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