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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

教材についてのご質問をたくさんいただきました

第776号 2021年7月16日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 5月と6月に行ったオンライン講演会には、延べ1,200名の方々にご参加いただきました。講演会の前後にいただいたご質問も多岐にわたっており、本コラムでもそのうちのいくつかについてお答えしてきましたが、現時点ですべてのご質問に対応できていません。オンライン講演会やコラムを通じて、できる限り答えていきたいと思いますが、今回は家庭学習における教材の使い方について、皆さまのご質問にお答えしたいと思います。2回の講演会を通していただいたご質問の中で、典型的なものをご紹介いたします。

  • ペーパー前の具体物トレーニング、日々の遊びを通しての取り込み方、具体的な事例を教えていただければ幸いです。特に数の概念や図形などペーパーだけでは難しいものについてご教示いただければとても助かります。
  • 家庭学習での教え方のポイント、もし単元別でお話を聞ければ大変参考になります。
  • こぐま会が、実際にしている内容を教えてください。地方在住ですので、教材を使ったやり方を教えてください。
  • ひとりでとっくんシリーズをはじめた年少です。これをペーパーとしてではなく体験的学習の教科書的に活用して、受験の基礎にも思考の基礎にもなるような学習をしてみたいのですが、 どのような使い方がおすすめでしょうか? たとえば、この問題をヒントに、こんな実験や体験をおうちでやってみましょう!というように、 実際に発売されているこぐまメソッドの教材をご紹介いただきながら、その体験的学習法を教えていただけたら嬉しいです。
  • ペーパートレーニング以前の具体物の経験としては、具体的に家庭でどんなことに取り組むのがよいのでしょうか。
  • 教材の上手な使い方を知れたら嬉しいです。
  • 幼稚園受験用の「ひとりでとっくん」のようなテキストはないのでしょうか?
  • 私たちは大阪在住、国立小志望です。 小学校受験について、関東・地方との違い、国立・私立の違いについて、傾向のようなものがありましたらお聞きしたいです。 また、こぐま会のひとりでとっくんシリーズの使い方も少し教えていただきたいと思います。 よろしくお願い致します。
  • 子どもが現在2歳で今年3歳になります。久野先生の本「子どもが賢くなる75の方法」を子どもが1歳の頃から読んで、子どもの成長に合わせて生活の中で教育していきたいと思っていますが、親の得意分野の教育に寄っていってしまいます。(親の苦手な算数の知識がなかなか教えられない)。1歳や2歳からの教育(遊び、しつけ)で親をサポートしてもらえる取り組みや教材にはどんなものがあるでしょうか。

教材・教具についてのご質問に関しては、個別具体的にお答えしなければなりませんが、この場ではそれができませんので、教材使用に関して原則的なことをお話ししたいと思います。

まず、「家庭学習ではどんな教材を使えばいいのか」という点ですが、家庭での学習といえども、ペーパーだけに偏った学習では「考える力」を育てることはできません。指導の原則は、基礎から応用へ、具体から抽象へ・・・ですから、家庭でもまず具体物を使った学習を心がけてください。ただどのように使うかは、その後の学習課題に関連付ける必要がありますから、知育玩具を手当り次第に与えておけばいいというわけではありません。目的をはっきりさせ、具体的な教具を使った試行錯誤の経験をペーパー学習にどう生かすかを考えて行ってください。遊びのように見える活動が、実は学習の基礎として大事であるという理解を大人が持つ必要があります。ものに触れ、操作することによって物と物との関係性をつかむことは、あらゆる学習の基礎として大事です。そうした活動の中で、ものを観察する力がついたり物事を順序付ける学習をしたり、全体と部分の関係をみる眼が育ったり・・・と領域を貫くものの見方が身についていくと思います。

次に、こぐま会の家庭用教材の中で多くの皆さまに支持されている「ひとりでとっくんシリーズ」の使い方についてご説明します。ひとりでとっくん100冊の3,000枚のペーパーは、ばらクラスの実際の授業のために作成し、授業で検証しながら修正を繰り返して作った教材です。100冊の問題集を完成させるために20年間かかりました。最初のうちは、子どもが説明を受けなくても1人で取り組める課題を多く取り上げたため「ひとりでとっくん」と命名しましたが、10冊目くらいから子ども1人だけでは取り組めないことがわかりました。そのため「親子でとっくん」と改名しようと思いましたが、最初の想いを大事にして「ひとりでとっくん」をそのまま使い今日に至っています。そのようなわけで、学習の順序を意識して作ったものではなく、多くの皆さまにお使いいただいているうちに「どれから始めたらよいですか」という質問が寄せられるようになりました。こぐま会にお通いの皆さまには、教室で学んだ同じ単元を復習用としてお使いいただけるのですが、教室に通わず、この問題集を使って家庭学習をされる方には、学びの順序をお伝えする必要があります。100冊が完成した後、そうした皆さまのご希望に添えるよう「ひとりでとっくん365日」を世に送り出しました。この12冊の内容は、こぐま会の会員クラスで学ぶ「セブンステップスカリキュラム」の内容に連動しています。ステップ1の学習内容には、最初の 01 と 02 が対応していて、ステップ4までの基礎段階の学習内容には、ステップごとに各2冊ずつ、計8冊が対応しています。応用段階の学習に関しては、残りの4冊でステップ5~7までの内容を網羅しています。このような作り方で、基礎から応用へ系統的に並べてあります。子どもたちの理解度に沿った形になっていると思いますので、順序を間違いないようにしてください。また、この「ひとりでとっくん365日」の内容に連動させて、「ひとりでとっくん365日 学習内容準拠 おけいこカード」も出版しています。家庭学習でお使いいただけるように作った学習カードです。ペーパー学習の前にこの教材を使っていただくと、問題の意図が十分つかめるはずです。家庭学習で教室と同じ教具を準備するのは大変だと思い作成しましたので、活用してください。このカード教材以外にも「こぐまオリジナル知育教材」として、さまざまな領域の教具も作成しておりますのでぜひ活用してください。指示を聞いてそうした具体物教材に触れ、試行錯誤することによって、物事の関係性をしっかりつかんでほしいと願っています。


また、低年齢用の「ひとりでとっくん」についてのご質問がありましたが、現在作成中ですのでもう少しお待ちください。提携企業の教材の中には低年齢向けのものもありますので、ぜひ活用してください。 こちらの教材は、こぐま会のメソッドを提供して作られていますので参考にしてください。家庭用学習教材に関しては、ともかく具体物を使った学習をしてからペーパー教材に取り組んでください。

※次回の更新は8月6日(金)です

 こぐま会代表 久野泰可 オンライン講演会のご案内
「 年中9月からの受験対策 」
2021年7月24日(土) 10:00~11:00 LIVE配信!(無料)
【講演内容】
1. こぐま会 「セブンステップスカリキュラム」 について
2. 学校選択と学校別学習対策の方法について
3. 受験において合否を分けるいくつかのポイント

※ご視聴にはお申し込みが必要です
※後日録画配信はありません

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