週刊こぐま通信
「代表のコラム」3歳からの家庭用教材が完成します
第947号 2026年5月5日(火)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会では、教室授業と並行して、幼児期における基礎教育のオリジナル教材・教具の開発に力を注いできました。今年で創立43周年を迎えますが、一般販売も行っています。教室に通う子どもたちの家庭用学習教材として開発したものを、外部からの要請に応え、渋谷の大盛堂書店で初めて一般販売するようになってから30年ほどたちますが、現在全国主要都市の約230の書店に棚を頂き、オリジナル教材を販売しています。もちろん、小学校受験のためだけでなく、将来の学びの基礎としてこぐまオリジナル教材を使っていただいています。タイトルに「完成します」と書いたのは、これまでは「ひとりでとっくん365日」を中心に、年長児を対象とした教材開発を主に行っていましたが、多くの皆さまからの要請で、2~3歳児からの系統立った教材開発が必要だと考え、この3年間低年齢向けの教材開発に力を入れてきたことで、今年9月で計画通りに完成できる見込みとなったからです。
たくさんの教材を提供することになりますが、シリーズとして整理すると以下のようになります。
(1) 通信教育【おうちdeこぐま会】 プレ年少~年長(2歳6カ月~6歳)
(2) 【4・5歳からはじめる ひとりでとっくん365日】 年少(秋頃)~年中(秋頃)
(3) 【ひとりでとっくん365日】 年中(秋頃)~年長(秋頃)
(4) 【ひとりでとっくん100】 年中以上
(5) 【こぐま会Webレッスン】年中1月~年長10月
※運営は「モコモコゼミ」様に委託
以上ご紹介した中で、(1)と(2)が今年9月で完成し、これをもって基礎教育の家庭用教材はすべてそろうことになります。 こうした家庭用教材で基本を身につけ、小学校受験を目指すお子さまは、【学校別ひとりでとっくん】シリーズで、過去問対策をしていただきます。
ひとりでとっくんの販売開始から30年たちますが、教材づくりの基本姿勢は今も変わっていません。 基礎教材は、授業で実際に使用し点検してから製品化し、受験用教材は、学校側が問題を発表していませんから、子どもたちからの聞き取りに基づいて可能な限り正確に再現することにしています。むやみに難しくして保護者さまが誤った情報で混乱しないよう心がけています。
今、教材開発をめぐり、大きな問題が提起されています。幼児教育だけでなく、小学校以降の教科書や問題集をタブレット化し、紙から離脱しようとしています。国のGIGAスクール構想により、小学生になると一人に一台タブレット端末が渡され、AIを使った教育に全体が動き始めています。しかし一方で、紙の教科書に回帰した国もあります。スウェーデンやフィンランドは、タブレット化した結果成績が落ちたというのです。考えてみれば当たり前のことですが、この議論は少し続くはずです。
私たちは事物教育を実践していますから、紙の前に事物を使った試行錯誤の教育が必要だと主張してきましたが、その紙さえも飛び越えて、生成AIの恩恵を受けようと動き始めています。幼児の時代からタブレットを使った教育がはびこるとしたら、これは教師不在の教育放棄に等しいものです。物事に触れ、働きかけ、試行錯誤することにこそ、考える力を育成するチャンスがあるのに、タブレットから与えられた知識を覚えるだけでは、新しい価値を創造する力は育成されません。ですから、そうした動きに「NO」を突き付ける意味でも、完成間近の「おうちdeこぐま会」は、わざわざ「見て、触って、考える」教材として制作しました。紙であっても、作業を通して試行錯誤することを目指しています。
