週刊こぐま通信
「代表のコラム」海外での子育てと言語の発達
第944号 2026年3月31日(火)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可
3月15日、シンガポール日本人会において、「学習塾KOMABA」様主催のセミナー「海外での子育てと言語の発達」に参加し、私は「学びに向かう心を育てる」という演題で、1時間ほどお話しさせていただきました。私の話のポイントは以下の通りです。
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幼児教育の課題は、たくさんの知識を与えることではなく、
- 教科学習の基礎となる「考える力」を育てる
- 認知能力だけでなく、非認知能力を育てる
- 主体的に学ぶ姿勢を育てる
- 学びが楽しくなくてはならない
- 学ぶ楽しさは、事物に触れ、働きかけ、自ら答えを導きだす経験が必要
- 生活や遊びの中でたくさんの経験を持たせ、その経験を学びの基礎とする 0l>
- ものごとの特徴をつかむ
- いくつかのものごとを比較する
- ある観点に沿って物事を順序づける
- 全体と部分の関係を把握する
- 観点を変えてものごとを捉える
- ものごとを相対化してとらえる
- 逆に考える
- あるものごとをひとまとまりにして捉える
- ものごとの法則性を発見する
- AとB、BとCの関係からAとCの関係を推理する
第2部では、シンガポール日本人会クリニック言語聴覚士の鈴木先生と学習塾KOMABAの石川先生と私の3名で、海外における日本語獲得の問題点と解決法をお伝えするセミナーを実施しました。それぞれが今取り組んでいる課題について述べました。
- 現場で感じている課題
- こぐま会代表 久野泰可
- (1)対人関係を通して身につく言葉
- (2)読む・書くの前に大切なこと
- (3)美しい日本語にふれる
日本人会クリニック 言語聴覚士 鈴木利佳子先生- (1)多言語環境への導き方
- (2)母語(日本語)は勝手に育つ?
- (3)家庭での言語に対する向き合い方
学習塾KOMABA塾長 石川晋太郎先生- (1)入口だけではなく出口も
- (2)ドリル・ワーク型学習の落とし穴
- (3)母語の発達=心の発達
- 言葉の発達についての課題と実践方法

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- (1) 体験と言語:事物教育と言語活動 ―五感を通して言語を獲得する
実践具体例:秘密袋(触索) - (2) 思考と言語:対話教育と言語活動 ―子どもの思考を促し言葉を引き出す
実践具体例:「交換」問題の説明 - (3) 音読ができない子どもたち ―読解力がないと上手に音読できない
参考:『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社, 新井紀子著)
実践具体例:「よみかた絵本」(戸田デザイン研究室, とだ こうしろう著)を使った実践 「交換」問題の説明
- (1) 体験と言語:事物教育と言語活動 ―五感を通して言語を獲得する
シンガポールで生活する子どもたちの「日本語」獲得の問題は、視点はちがいますが、日本における英語教育の在り方を考える課題とつながっています。その意味で、鈴木先生のところに相談に見える子どもたちが抱える問題がなんであるかを知ることは、私にとってもとても意味のある事例だと受け止めています。
幼児期の基礎教育のために開発した教材が、海外での日本語教育の教材に活用されていることを知り、さらに役立つ日本語教育のための教材を開発しなくてはと思っています。
鈴木先生からのご報告が、『世界の子どもたちに「KUNOメソッド」の学びを 国内・海外からの実践報告』に掲載されていますので、こちらもぜひお読みください。
