週刊こぐま通信
「代表のコラム」就学を控えた子どもたちの躓きから幼児教育を考える
「逆思考の大切さ」
第943号 2026年1月28日(水)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可
もうすぐ1年生になる子どもたちの就学準備の学習が始まっています。年長秋までに学んだことを小学校の教科学習につなげる「橋渡し」の授業です。これまでの学習の成果が明らかになると同時に、理解が不十分なところも明らかになり、幼児期の教育課題が明確になります。その意味で、今週行った算数「隠れた数を探せ」の学習では、小学校受験で求められる「逆思考」の大切さがよくわかります。
どんな内容であったか、使ったテキストを紹介し、解説してみたいと思います。
- 数の逆思考
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- リンゴが5個ありました。太郎君がいくつか食べたのでリンゴは3個になりました。太郎君が食べたリンゴはいくつですか。その数だけリンゴのお部屋に○をかいてください。
- 太郎君は金魚を飼っています。今日また3匹買ってきて入れると、水槽の金魚は全部で7匹になりました。はじめは何匹いたのでしょうか。その数だけ金魚のお部屋に○をかいてください。
- バス停でお客さんが、7人降りました。するとバスのお客さんは2人になりました。最初バスには何人のお客さんが乗っていたのでしょうか。その数だけバスのお部屋に○をかいてください。
- 太郎君のおじさんの家は牧場をやっています。ブタはウシよりも3頭多くいます。そして、ウシはウマよりも2頭多くいます。飼っているウマは3頭です。ブタは何頭飼っていますか。その数だけブタのお部屋に○をかいてください。
- 魔法の箱1
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- 箱の中を通ると、あるお約束で数が変わって出てきます。どんな約束か考えて、1番下の?のついたお部屋に数をかいてください。
1番下の問題は、どんな数を入れたか考える問題です。
- 箱の中を通ると、あるお約束で数が変わって出てきます。どんな約束か考えて、1番下の?のついたお部屋に数をかいてください。
- 魔法の箱2
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- 上のお部屋を見てください。星の箱を通ると数が2増えます。ハートの箱を通ると数が倍に増えます。ダイヤの箱を通ると数が1減ります。
下の左のように箱を通ると数はどのように変わって出てきますか。?のついたお部屋に数をかいてください。右側の問題はどんな数を入れたか考える問題です。?のついたお部屋に数をかいてください。
- 上のお部屋を見てください。星の箱を通ると数が2増えます。ハートの箱を通ると数が倍に増えます。ダイヤの箱を通ると数が1減ります。
たし算・ひき算の練習の後、計算式の意味がよくわかっているかどうか、次のような問題を課してみました。
- □を使った式
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- どんな計算か考えて、空いているお部屋に数をかいてください。
- どんな計算か考えて、空いているお部屋に数をかいてください。
1 普通の計算も指を使うことが多い
2 計算問題に時間がかかる
3 話を聞いて考える「逆思考」の文章題も間違えることが多い
つまり、数が内面化していないので、違う角度から質問された場合に適応できないのです。こうした点を考えると、なぜ最近小学校の入試問題で「逆思考」の問題が多いのかがわかりますし、将来の学習の基礎としてたいへん大事なものだと考えていることがわかります。小学校の受験対策が単に合格するための訓練ではなく、将来の教科学習の基礎をしっかり身につけるものとして捉えれば、大変意味のある教育になるはずです。
