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週刊こぐま通信
「代表のコラム」

年少~年中版「4・5歳からはじめる ひとりでとっくん365日」が刊行されます

第935号 2025年9月16日(火)
こぐま会代表  久野 泰可
 こぐま会では、40年以上前から現場指導の経験を活かし、授業内容に即した教材を開発してきました。当初は教室に通ってこられる会員の方のみに向けた販売でしたが、多くの書店からの要請を受け、ペーパー教材だけでなく具体物教材やカード教材も市販してきました。書店が本以外のものを売るということは今では当たり前になっていますが、40年前は考えられない話でした。こぐま会の具体物教材を置くことには学参担当者も抵抗があったようですが、こぐま会との取引がそうした本以外のものを書店で扱う先駆けになったようです。書店での販売を通じて、今や小学校受験を目指すご家庭のための教材というだけでなく、将来の学びの基礎をつくる「教科前基礎教育」の教材として、多くの方々に使っていただいています。

私たちは次のような考えをもって、教材を開発してきました。
  1. 小学校で学ぶ内容を易しく薄めたような教材は作らない
  2. 常に教室の授業で使用し、子どもの取り組みを確認したものを製品化する
  3. 発達段階に即して使っていただくために、こぐま会のカリキュラム内容に即して作成し提供する
  4. 受験対策用の教材は、入試情報を加味した内容とする
  5. それぞれの学習課題の内容について、なぜ将来の学びの基礎となるかを明らかにし、単なる受験対策の教材ではないことを念頭に作成する
  6. どの教材にも、保護者さまに向けた学習の手引き書をつけ、なぜこの課題が大事かを理解したうえで使っていただく
こぐまオリジナル教材の中で、ベストセラーは「ひとりでとっくんシリーズ」です。40年前から作成し続け、全国の子どもたちに使ってもらってきました。ただ、教材制作会社でないこぐま会が、市販の教材を出版するということは、大変な労力を必要とする作業です。指導の現場を持ちながらでしたので、出版界では全くの素人が手探りでやってきた仕事でした。今でこそ、全国約230の書店で直接取引で扱っていただいていますが、販売網の確立も独自で行わなければならず、相当苦労しました。現場で指導しながら作ったものですので、いきおい受験生対象のものから制作することになり、対象年齢は、5~6歳がほとんどでした。「ひとりでとっくん365日」の開発が一段落した段階で、それより下の年齢の教具・教材も要望に応える形で開発してきました。その意味で、ここ2~3年で商品数も急に増えた感じがします。

現在取り組んでいる教材開発は以下の通りです。
通信教育【おうちdeこぐま会】
対象……プレ年少児~年長児(2歳6カ月~6歳)
“1日15分”を目安に始められる「小学校以降の学習につながる幼児期のまなび」
  • 内容
    年少・年中・年長コース共通:
    紙芝居 + 事物教材・教具 + 学習の手引き + 理解度チェックシート
    ※この他、年中コースにはワークブック、年長コースにはワークブック + 手先の巧緻性を高める課題 が付属
  • お申し込み
    ・年少コース(01号~12号)……01号:受付中(11月スタート) ※対象:プレ年少 ・年中コース(13号~24号)……13号:受付中(11月スタート) ※対象:年少 ・年長コース(25号~36号)……25号:11月~(1月スタート) ※対象:年中


さわって学べる問題集【4・5歳からはじめる ひとりでとっくん365日】
対象……年少児(秋頃)~年中児(秋頃)
1年間に身につけたい学びの内容を全6冊シリーズに凝縮
  • 内容
    01号~05号:事物教材・教具 + ワークブック30枚 + みちびきブック(学びのガイド・設問)
    06号   :総まとめテスト + チャレンジテスト
  • 発売予定
    01号:販売中(9月10日発売)
    02号:10月 / 03号:12月 / 04号:2月 / 05号:4月 / 06号:6月


入試レベルの学力到達度チェック 【過去問精選 重要27単元総点検】
対象……年長児
入試問題の重要27単元の中から2問ずつ(やや易しい問題・難しい問題)収録
監修:こぐま会代表 久野泰可
  • 発売予定:9月30日
少し詳しく説明してみます。新教材の一つが、年少から始める「おうち de こぐま会」という通信教材です。年少の発達段階に合わせて作り始めた教材ですので、できるだけペーパー教材は少なめに、紙芝居・絵本・カード教材などを盛り込んで、楽しく学べる通信教材に仕上げました。
この「おうち de こぐま会」は、年少・年中コースはすでに発行済みですので、来年1月からは、これに引き続いて年長コースを順次発行していきます。

また、先日9月10日に「4・5歳からはじめる ひとりでとっくん365日」を刊行しました。既刊の「ひとりでとっくん365日」の姉妹版で、年少児(秋頃)~年中児(秋頃)を対象としたものです。ペーパーだけに偏らず、触って動かして学ぶ教材として、試行錯誤して答えを導き出せるように作りました。
私たちは子どもの発達に無理のないように、少し難しめの内容を常に考えながら一歩先の内容を提供してきました。決して、年長で使う教材を年少から使えばいいという発想ではなく、年少は年少なりに、年中は年中なりに意味のある教材を与え、その基礎学力の上で、受験対策として必要な学習を「ひとりでとっくん365日」でやっていただきたいと思っています。
今、幼児教育をめぐる動きの中には、幼児期から中学受験を目指す教育が始まろうとしています。しかし下からの積み上げ教育ではなく、小学校で学ぶ内容を下におろしただけの先取り教育で、ただ「難しい内容が幼児にできたね・・・」に終わってしまう内容ではないかと思います。そんな先取り教育で私たちが今まで積み上げてきた幼児期の基礎教育が見捨てられてはたまりません。中学受験をする子であっても、幼児期には幼児期なりの基礎教育があるはずです。その考えを守り続けるためにも、これまで幼児教育に専念してきた我々だからこそ出せる本物の幼児向け問題集を世の中に出し続けていかなければならないと思います。幼児期の教育が先取り教育にならないよう、我々幼児教育の現場にいる教師は、子どもの発達にみあった教育を守り続けていかなければなりません。

もう一つご案内します。今年受験される皆さまに使っていただきたい問題集を急遽発売することにしました。それは、コラム932号で書いたように、受験で必要とされる27単元に関する問題集です。同じ単元でも難易度の開きがありますので、一つの単元で基本1枚、応用1枚の2枚ずつで合計54枚のペーパーを提供します。ほとんどが入試問題で構成されていますので、最後のまとめに使ってください。

こぐま会では、今後も皆さまのご意見を参考に、幼児にとって意味のある教具教材を開発し提供していくつもりです。どうぞご期待ください。

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