ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「室長のコラム」

年中児 難関女子校を目指すための基礎力を問う

第810号 2022年4月22日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 新学期に入ってどの子も1学年上のクラスに進級し、意識にも変化が見られます。特に年長になったばらクラスの子どもたちには、明らかに最上級生だという意識が芽生えてきています。自立心を促す意味ではとても良いチャンスだと思います。この秋に受験を控える年長の子どもたちは、すでに基礎学力を身につける段階の学習を終え、応用段階の学習に進んでいます。一つ一つの課題が難しく大変苦労していますが、この経験が子どもたちを飛躍的に伸ばすきっかけになっていくはずです。少し背伸びして・・・という要素が教育には必要ですし、その壁を乗り越えようと頑張るところに飛躍がみられます。一歩先の少し背伸びして届く課題に挑戦し続けることによって、学力は伸びていくはずです。

さて、来年秋に受験を迎える年中児の皆さまも、1年半後の受験に向けてスタートを切っています。何を教育の課題にしたらよいのか、とよく質問を受けますが、1年半前から過去問に取り組むトレーニングをやるような対策は好ましくありません。1年半後にできればよい問題を前倒してやっても、できないのは当然です。やり方を教え込めばある程度できるはずですが、それでは本当に身についた力にはなりません。自分の力で解くためには、基礎学力の育成に相当の時間が必要です。

年中段階における教室での学習は、普段の生活や遊びの中で身につけた「考える力」をより確実なものにし、それ以降のデスクワークの基礎にしなければなりません。指導にあたる周りの大人は、その基本のところがどれだけ身についているかを知っておかなければなりません。そこをあいまいにしたまま難しいペーパー問題に取り組ませても、効果は見られません。ペーパー学習の経験があるなしにかかわらず、入試対策をするうえで必要なのは次の力です。
  1. 聞く力
  2. 言葉で表現する力
  3. 観察力
  4. 規則性を発見する力
  5. 構成力
  6. 作業能力
  7. 手先の巧緻性
  8. 記憶力
これらの力の基礎は、ペーパー学習によってではなく生活や遊びの中で身につけていくもので、その上に学習が積み上がっていくのです。こうした力が身についているかどうかを見るために、年中児向けに基礎力を問うチェックテストを3月末に行いました。長年の現場での経験を生かし、本テストの問題はすべて私が新たに書き下ろしました。

1. 聞く力指示の聞き取り・話の内容理解
2. 言葉で表現する力二者の異同・お話づくり
3. 観察力間違い探し・同図形発見
4. 規則性を発見する力図形系列
5. 構成力三角パズル・L字型パズル
6. 作業能力位置の移動
7. 手先の巧緻性図形模写・輪ゴムを使った作業
8. 記憶力つみ木の並び方・方眼上の位置

また、今回の問題は同じ課題の中に難易度の違う問題を用意し、どこまで理解でき、どこから理解できなくなっているかがわかるようになっています。例えば、「2. 言葉で表現する力」を見る問題は、次の3問で構成しています。

1. 二者の異同2つのものを比べて、似ているところと違うところを説明する
2. お話づくり (1)1枚の絵を見てなぜそうなったかを話す
3. お話づくり (2)3枚の絵の順序を考えてお話をつくる

このように、6領域17課題をテスト形式で行い、その結果に私が一人一人個別に分析を加え、オンラインセミナーで保護者の皆さまにお伝えしました。今回、実際にテスト分析を行ってみて、問題作成の際に意図したとおり一人一人の課題が明確になり、効果的なテストであったことを実感しました。

本テストは、5月連休中に「小学校合格を目指すための基礎力を問う」チェックテストとして再度実施いたします。受験対策をスタートするにあたり、どこに課題があるかを知っておくことは、今後の学習方針を決める意味でも大切です。


 重版決定!! こぐま会代表 久野泰可 著「子どもが賢くなる75の方法」(幻冬舎)

読み・書き・計算はまだ早い!

家庭でできる教育法を一挙公開
子どもを机に向かわせる前に実際の物に触れ、考えることで差がつく。
  • 食事の支度を手伝いながら「数」を学ぶ
  • 飲みかけのジュースから「量」を学ぶ
  • 折り紙で遊びながら「図形」を学ぶ
  • 読み聞かせや対話から「言語」を学ぶ
お求めは、SHOPこぐまこぐま会ネットショップ 全国の書店・各書籍ECサイトにて

PAGE TOP