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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

お父さまのための「土曜ゼミ」第2回

第759号 2021年3月5日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 受験生のお父さまを対象とした土曜ゼミも、緊急事態宣言下ということで対面形式では開催できず、オンラインセミナーとして配信するために今日収録を終えました。第2回目の今回は、「ステップ4終了時までに身につけておくべきこと」と題し、昨年9月から始まっているステップ学習の成果をお父さま方に点検してもらうための「チェックポイント」についてお伝えしました。セブンステップスカリキュラムにおいては、ステップ1から4までを基礎段階の学習として重視してきました。基礎段階の学習とはいえ、ステップ4までの内容が実際の入試問題でも多く出されており、特にコロナ禍の昨年の入試では、ステップ4までの基本問題が多く出されていました。難しい問題に取り組ませがちな受験生の保護者の皆さまも、ぜひこの点をしっかり捉えて日々の学習に取り組んでください。
ところで、ステップ1から4までにどんな学習をしてきたか振り返ってみましょう。

【ステップ1】

 領域単元
1-1未測量 1大きさ・多さくらべ
1-2位置表象 1前後・上下関係
1-3数 1計数、同数発見、5の構成
1-4図形 1基本図形とその構成
1-5言語 1同頭音・同尾音、しりとり
1-6生活 他 1分類(1)

【ステップ2】

2-1未測量 2重さくらべ
2-2位置表象 2左右関係
2-3数 2一対一対応
2-4図形 2立体構成
2-5言語 2短文づくり
2-6生活 他 2理科的常識(1)(常識)

【ステップ3】

3-1未測量 3長さくらべ
3-2位置表象 3方眼上の位置と移動
3-3数 3等分
3-4図形 3同図形発見、点図形
3-5言語 3話の内容理解、お話づくり
3-6生活 他 3分類(2)

【ステップ4】

4-1未測量 4シーソー
4-2位置表象 4四方からの観察(1)
4-3数 4一対多対応
4-4図形 4図形分割
4-5言語 4話の内容理解、昔話
4-6生活 他 4法則性の理解(1)(推理)
それでは、家庭で行う領域別点検項目について解説しましょう。以下の43項目が、入試で出される問題との関係でどうしても力を入れておきたい項目です。

家庭で行う「領域別基礎学力点検項目」(ステップ1~4)

末測量
  1. 「~番目に長い」棒は、同時に「~番目」に短い棒と言える
  2. 「~より長く、~より短い棒」がどれかわかる
  3. シーソーの四者関係において「3番目に重い」ものがわかる
  4. 個別単位の考え方ができる(正方形の数で広さ、マッチ棒の数で長さを判断)
  5. 量の多いものから順に対応付ける「順対応」の作業ができる
  6. お話を聞いて三者~四者の関係を推理できる
位置表象
  1. 3×3方眼上の位置を記憶できる(4~5つのもの)
  2. 自分以外の右手・左手がわかる
  3. 1つの交差点での曲がり方を理解できる
  4. 生活空間における位置関係を言葉で表現できる
  5. 方眼上のある1つの場所を言語化できる
  6. 1つのものの見え方をその場に行かないで推理できる
  1. 5~10までの数の構成(いくつといくつ)を暗算でできる
  2. 具体物を使って観点を変えた分類ができる
  3. 仲間はずれの理由をしっかり説明できる
  4. 2つの数を比較し「どちらがいくつ多い(少ない)」か言える
  5. 「違いはいくつ?」の問いに対し正しく答えることができる
  6. 量の3等分がわかる
  7. あまりのある数の等分がわかる
  8. 一対多対応で、答えを導く手続きがわかる(お客さん・タイヤの問題等)
  9. ある数の中に、指示された数のまとまりがいくつあるかがわかる(包含除の理解)
図形
  1. ひし形が正しく描ける
  2. 立方体が正しく模写できる
  3. 基本図形を何片かに分割した図形構成ができる
  4. 触るだけで形を判別したり、描き表すことができる(平面・立体)
  5. 何個つみ木を動かせば、指示された形ができるかがわかる
  6. 点図形が正しく描ける(特に斜めの線の多い見本)
  7. 同図形発見がすばやくできる
  8. 折り紙を指示された形に分割できる
  9. 三角パズルが短時間でできる
  10. ある形を指定された数の三角に分割できる
言語
  1. 言葉の音の数と最初の音、最後の音がわかる
  2. 前に戻るしりとり(あたま取り)ができる
  3. 動きを表す言葉(動詞)を適切に使うことができる
  4. 絵カードを時間的経過に沿って並べることができる
  5. 4場面の絵カードを使ってまとまった話ができる
  6. 長い話を聞き、登場人物とその行為を結び付けることができる
  7. 昔話に関して、あらすじや登場人物について理解している
生活 他
  1. 鏡に関する基本問題が理解できる
  2. 花の名称と季節を正しく答えることができる
  3. 巧緻性の課題に自信を持って取り組む(箸・ひも結び・はさみ等)
  4. 立方体を何回か回転した時の向きをイメージできる
  5. 並び方の法則性を説明できる

この中で、特に入試に絡んで徹底していただきたい点を領域別にお伝えします。

「未測量」領域では、シーソーに関する課題と個別単位の考え方が大事です。また、話だけを聞いて三者~四者の関係を考える「関係推理」の課題も重要です。

「位置表象」領域では、左右関係の理解を中心に、その発展である「交差点の曲がり方」「方眼上の位置の言語化」「1つのものの見え方をその場に行かないで判断する「四方からの観察」がよく出されています。

「数」領域は、数の操作に関する基本を学びましたが、その中でも入試問題として注目しておくべきことは、「数量の等分」とかけ算の考え方の基礎としての「一対多対応」の考え方が重要です。

「図形」領域では、点図形や同図形発見といった昔からある課題だけでなく、図形構成や図形分割といった入試でよく出される課題の基礎を学習しました。易しくなった昨年の入試ではこうした課題がたくさん出されていました。三角パズルや折り紙の分割は難しい課題にも発展していきます。

「言語」領域では、「言葉づくり」や「しりとり」の理解の前提になる「一音一文字」の学習をしました。しりとりでは逆しりとり(あたま取り)も練習し、それが昨年度の入試でも出されています。あとは、話の内容理解と絵カードをつかったお話づくりを繰り返し練習しました。

「生活 他」領域では、「理科的常識」「観点を変えた分類」と、法則性の理解として「図形系列」「回転推理」を学びました。法則性の理解に関する課題は、難しい課題の1つとして入試でもよく出されています。

入試問題全体からすればまだまだ易しい問題ですが、この基本問題を自分の力で解けるようにするためには相当の練習が必要です。入試となると勢い難しい問題に目が行きがちですが、難問は入試問題全体の2割程度であるし、これからの学習で十分間に合います。今やるべきことは、過去問に代表される難しい問題ではなく、基本となる問題を徹底して身につけておくことです。9月~10月の直前になって躓く問題の多くは、こうした基本問題が十分理解できていないことに起因しています。会員の皆さまには点検用に21枚のペーパーを用意しましたので、それを使って理解度を点検してください。その上でまだ理解が不十分な点があれば、ぜひこぐま会Webレッスンで練習を徹底してください。

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