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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

夏の成果をチェックする

第544号 2016/9/1(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 こぐま会の夏季講習会は、9月1日をもってすべて終了しました。毎日朝早くから夕方遅くまで、元気な子どもたちの声が教室に溢れていました。私たち教師も、普段より多くの授業を担当し、体力勝負の夏でした。長いと思われた夏休みもあっと言う間に過ぎてしまい、家庭学習が計画通りに実行できず、残してしまった問題集を見て少し焦りを感じている方も多いように思われます。しかし、夏の頑張りで子どもたちの理解力は確実に高まっているはずです。この秋に入試を迎えるご家庭では、これからの学習は手当たり次第にペーパー問題をやるのではなく、子どもの理解の現状をしっかり踏まえて課題を絞り込んでやらなければ、弱点を克服することはできません。私がコラム540号541号で報告した、現在の子どもの出来 - 不出来が分かれていく問題点を、確実に克服する学習をしなければいけません。8月30日に行われた「第6回室長特別受験セミナー」では、そうした考えに基づいて「夏の学習成果を点検し、残り2カ月の対策を考える」と題し、以下のような内容で行いました。

第6回 室長特別受験セミナー
「夏の学習成果を点検し、残り2カ月の対策を考える」
1. 夏の総括・・・子どもにとっていま何が壁になっているか
2. 夏の学習の成果をどう点検するか
夏に見られた子どもの弱点がどう克服できたかをみる問題を24枚用意し、それを使って理解度をチェックする
3. 領域を超えて学校側が求めている「考える力」とは何か
(1) ものごとの特徴をつかむ
同図形発見・何が変化したかを捉える・私は誰でしょう
(2) いくつかのものごとを比較する
一対一対応・量の系列化・シーソー
(3) ある観点に沿って、物事を順序づける
量の系列化・位置の系列化・時系列
(4) 全体と部分の関係を把握する
数の構成
(5) 観点を変えてものごとを捉える
四方からの観察・地図上の移動・数のやりとり
(6) 物事を相対化してとらえる
量の相対化・シーソー・関係推理
(7) 逆に考える
逆思考・逆対応
(8) あるものごとを、ひとまとまりにして捉える
一対多対応・包含除
(9) 規則性を発見する
法則性の理解・魔法の箱・観覧車
(10) AとB,BとCの関係からAとCの関係を推理する
シーソーのつりあい・交換
4. 残り2カ月間の学習法
(1) もう一度基礎のチェック 基本学習ボード
(2) 新傾向問題チェック
(3) 常識問題の整理
(4) 聞き取り練習・記憶練習・スピード練習
(5) 答えの根拠の説明

夏の講習会でみられた子どもの弱点を、その後の学習でどのように克服できたか。それを24枚のペーパーでチェックできるように、参加者の皆さまにお配りしました。オリジナルな問題や実際の過去問をあてはめ、それぞれの課題の基本が理解できているかどうかを点検できるような問題になっています。これをできるだけ早いうちにやり、それでもまだ解決できていない問題があれば、それをこそ9月中に解決しなければなりません。そして、それ以上に大事なことである、難しいとされる問題に共通する「考える力」とは何かを明らかにし、それぞれの領域の学習を貫く「思考力」の基本を解説しました。1枚1枚のペーパーをより深く学習することの大切さをお伝えしましたが、特にこの中で、3-(5)観点を変えてものごとを捉える、3-(9)規則性を発見する、3-(10) AとB , BとCの関係からAとCの関係を推理する、この3つの課題が入試ではよく問われています。

入試本番まで9月・10月と残すところ2カ月となりましたが、この2カ月間の学習の方法を具体的に説明し、受験当日を一番よい状態で迎えるために何が必要かをお伝えしました。焦る気持ちが一番良くないことを強調し、これまでと同じ生活リズムを保つことをお願いしました。

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