ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「室長のコラム」

広島の講演会でお伝えしたこと

第507号 2015/11/20(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 今年1月から始まった、広島での「大木スクールこぐま会」の第2期生向け教育セミナーを、11月15日(日)午後に「発達診断テスト」と並行して行いました。広島では、広島大学附属小学校等主要校の入試が12月にあるため、新年度の授業は12月からスタートします。2期生の授業開始に先立ち、「幼児期の基礎教育はどうあるべきか」そして、その延長として小学校受験の対策をどのように考え、進めればよいかをお話しいたしました。首都圏と広島での小学校受験をめぐる状況は全く同じではありませんが、出題される問題の質や行動観察重視の傾向は、まったく同じ状況にあります。そんな中で、やはり首都圏と同じようにペーパーのみを使った教え込みの授業が盛んに行われています。そうした受験対策に疑問を持たれる多くの保護者の皆さまに、「事物教育」「対話教育」を中心としたこぐま会のメソッドが支持され、歓迎されています。今年1年間で生徒数は5倍に増えました。それだけ「KUNOメソッド」に対する期待が大きく、それにしっかり応えられるように、指導能力を高める研修を積んでいます。

今回のセミナーでは、小学校受験で求められている能力と、それに向けての対策が決して特別な教育を必要とするのではなく、「幼児期の基礎教育」をしっかり積みあげることで十分対応できることを証明し、間違ったペーパー主義の教育に陥らないことが大事であることを強調しました。広島大学附属小の入試問題も、決してペーパーだけトレーニングすればできるような質の問題ではなく、「考える力」が必要であることを昨年の問題を分析し、具体的に示しました。

また、受験をしない子どもたちにとっても「幼児期の基礎教育」は大変重要であることをお伝えしました。最近の幼児教育ブームの火付け役になった、ジェームズ・J・ヘックマン氏の「幼児教育の経済学」(東洋経済新報社, 2015)という本を紹介し、

(A) 5~6歳までの教育がその後の人生に大きな影響を与える
(B) 認知能力だけでなく、非認知能力もこれからの時代を生き抜く人間には重要である

という主張について私なりに解説し、幼児期からの基礎教育の大切さをお伝えしました。

東京での経験がすぐに生きるわけではありません。しかし私が見る限り、東京の入試が一歩前を走っていることは事実ですが、地方との違いはあまり感じられませんので、東京での経験は広島でも必ず生かせるはずだと考えています。他の多くの塾がペーパーだけの教え込みの指導に陥っている現状を考えると、「KUNOメソッド」が果たす役割は重要です。子どもを守り、保護者の皆さまに自信を持って受験準備にあたっていただけるのではないかと確信しています。

セミナー終了後にいただいたアンケートを読ませていただきました。皆さまの真摯な意見に耳を傾け、広島の皆さまにも「KUNOメソッド」を支持していただけるように、教室での指導により磨きをかけたいと思います。ここに、アンケートの中から貴重なご意見をいくつかご紹介させていただきます。

  • すべてのお話がとても有意義でためになりました。これからの家庭での生活でいろいろと取り入れようと思いました。
  • 経験させることがとても大切ですね。
  • 久野先生のお話の内容、事物教育の必要性がよくわかりました。
  • SONYの井深さんが仰った「幼稚園では遅すぎる」について考えさせられました。
  • 3段階学習法、行動観察の重要性がわかりました。
  • 能動的に自分で動いて獲得したことは忘れない。子どもの行動に必ず反応してあげて、より深めていくことで子どもの認識能力が育つことが良く理解できました。
  • こぐま会のことを浅くしか知らなかったので、どのようなことをされているのかよく分かりました。親としていろいろと考えさせられました。
  • 子どもの意識がかわるように目的をもたせ、やる気になるようにしてやる。6歳までに認知能力、学習能力が養われるので幼児期が大切ということがわかりました。
  • 認知能力の他に非認知能力の大切さ、子どもの心の成長が受験には必要ということ、大変貴重なお話を聞くことができ感謝しております。
  • 幼児教育には大人の反応が大切だ。実際に手に取り経験してから問題に取り組むなど、今だけではなく将来に必要な力を育てるKUNOメソッドは素晴らしいと思いました。
  • KUNOメソッドは、受験のためだけの教育ではないということがよくわかりました。
  • 受験はペーパーだけではなく非認知能力も大切だということが理解できました。
  • 幼児期の差は成長しても縮まらないこと、3段階学習法の意味がわかりました。
  • 働きかけ→思考→試行→はねかえりという段階的学習の重要性がよくわかりました。『ひとりでとっくん』を年中の夏より利用させて頂いていますが、より効果のある学習に深めていくヒントになりました。久野先生のメソッドに非常に賛同しております。本日はありがとうございます。

広島には、以前からいくつかの書店に「こぐまオリジナル教材」を置かせてもらっていました。そのため、以前より多くの皆さまに「ひとりでとっくん」をはじめとする教具・教材を使っていただいていたようです。セミナー終了後、そうしたこぐま会ファンの方々に声をかけていただき、大変うれしく思いました。また、ホームページのコラムを毎回お読みいただき、それを家庭教育に活用されていた方にもお会いできました。これまでの私の実践や幼児教育に関する考え方を、教具・教材を通して理解していただいている方が多いことを知り、ますます「KUNOメソッド」の普及活動に力を入れなくては・・・と感じました。広島での実践活動をモデルに、日本各地に「KUNOメソッド」の幼児教育を広める活動をしていければ・・・と考えています。

PAGE TOP