週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」言語:一音一文字(立教女学院小学校)
第62号 2007/03/23(Fri)
齋藤 洋
齋藤 洋
- 言語:一音一文字(立教女学院小学校)
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※横3列、たて複数列にマスが並んでいて、それぞれのマスの中に絵が描かれている。
1列目のそれぞれの絵の下に、名前の音の数だけが並んでいる。その中の1つか2つのが、黒く塗られている。2列目と3列目の絵の下にはは並んでいない。
- の部分の音と同じ音が名前の中にある絵を、2列目と3列目の中から探して、線で結んでいく。
※キリンの絵で練習してから始める。
例) キリン リス リンゴ
いろいろなものの中で、同じ音が含まれているかどうかを判断する問題です。絵の名称には、判断の難しいものはなかったようです。
この問題で求められているのは次の点です。
i) | の部分が何という音なのかをすばやく判断する |
ii) | 2列目に並んでいるものの名前の中で、の音があるものをすばやく探す |
iii) | 3列目に並んでいるものの名前の中で、の音があるものをすばやく探す |
i)は一音一文字の基本です。これができなければ、この問題には対応できません。1列目には、以下のようなものがありました。
すずめ |
くじら |
ゆきだるま |
「すずめ」は一番最初の音なので、しりとりの感覚で「す」の音を判断するのは簡単でしょう。そして、2列目の上から順番に名前を確認していき、「す」の音がつくかどうか調べます。あったらすぐに線結びをし、3列目も同様に調べます。ここでは2列目は「すいか」、3列目は「なす」だったようです。「すいか」の「す」は頭音ですから簡単に見つかりますが、「なす」の「す」は尾音です。尾音の判断は子どもは苦手です。
3列目までできて初めて、次の問題に取り組みます。1列目の全ての絵と2列目の絵を全部線結びしてから3列目というわけにはいきません。その都度1列目のを確認しなければならないので、時間がかかってしまいます。
2問目に入ります。「くじら」の「じ」は2番目の音なので、慣れていないと初めから判断を誤りそうです。
3問目の「「ゆきだるま」は、2箇所の音を判断しなければなりませんから、とても難しいものです。それぞれについて、その音をしっかり記憶して2列目「のりまき」、3列目「かまきり」を探さなければならなかったのです。いずれも、「ゆきだるま」の名前の中にある「き」と「ま」の音の順番とは逆になっています。2箇所の音の判断は、この他にも2問以上あったようです。
入試によく出題される一音一文字の課題では、「同頭音」「同尾音」を探す問題や「しりとり」が多いのですが、最近はかなり難しい問題が出題され始めています。
今回紹介した問題は、ひらがなを十分に知っていれば簡単かもしれません。最近はひらがなの読み書きができる幼児も少なくありません。しかしそれができても、絵からひらがなをすぐに思い浮かべることは幼児には難しいのです。ですからひらがなを教えなければならないと思わないでください。
大切なことは、ものの名称を確認するときに、しりとりをやるときのように、一音ずつしっかり区切って確認する方法に慣れることです。
ひとりでとっくんシリーズの、「同頭音・同尾音」「しりとり」や、こぐまオリジナル教材の「しりとりカード1・2」などを使ってしっかり練習していきましょう。