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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

その他:選択抹消(白百合学園小学校)

第57号 2007/01/12(Fri)
齋藤 洋
その他:選択抹消(白百合学園小学校)
3つのお約束が書かれていて、その下に大きな方眼状の部屋がある。それぞれの部屋の中にはリンゴやゾウなど、さまざまなものが描かれている。

* 3つのお約束
 カエル→丸 トンボ→縦線 チョウチョウ→横線


上のお約束の通りに、たくさんの部屋の中に描かれている絵の中から同じものを探して、できるだけ早く印をつけていってください。

 これは、選択抹消という作業能力を見るための問題です。
 かなり時間制限が厳しかったようで、「全然間にあわなかったよ。」との子どもたちの報告がありました。特に白百合だからということではなく、単純な問題だけに、他校でも短い時間設定の場合がほとんどです。
 しかし子どもたちの取り組み方を見ていると、全然急がずゆっくりやっていたり、全体を見渡して目に付いた部分だけやっていたりする場合があります。これではこの問題の意図に合っているとは言えません。

 対策としては、ただ量をこなすだけでなく、次の2つの点が大切です。
  • 上段から1列ずつ取り組む
  • 早さが求められていることを理解させる

 正確さももちろん大切ですが、幼児は正確さを要求するとどうしてもゆっくりと丁寧なだけになってしまいます。問題をこなしていくうちに正確さはついてくるはずですから、「できるだけ早く」という指示があるこのタイプの問題に限っては、1列ずつ素早く処理していく方法を指導していく必要があります。

 小学校入試の大きな傾向として、入学前の子どもたちに、豊かな生活経験や思考力の高さを求めるようになってきています。選択抹消は、すばやい判断と正確な作業を求めるだけの問題ですが、常に高い出題率を保っています。それは一人一人の子どもが、小学校入学後、授業にどのように関わっていけるかをみようとしているからだと思われます。つまりペーパーテストでありながら、行動観察の要素が高いのです。確かに日常の子どもの物事への関わり方が、このような作業問題にも反映されるように思われます。
 逆にこのタイプの問題のトレーニングが、全てではないにしても、日常の行動をメリハリよくさせるのに役立つ部分もあるのではないでしょうか? ひとりでとっくんの「選択抹消」や「位置の対応」などを使ってみてください。また「迷路」にもできるだけ早く取り組む練習をしてみてください。

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