週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」図形:図形構成と同図形発見(成蹊小学校)
第56号 2007/01/05(Fri)
齋藤 洋
齋藤 洋
- 図形:図形構成と同図形発見(成蹊小学校)
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左端に、直線でいろいろな模様が中に描かれている正方形がある。
この正方形を小さい4つの正方形に分割したものが右に並んでいる。その中で模様が間違っているものを一つ選んでをつける。
※選択肢の4つは、順序不同1列に並んでいる。
図形課題を入試問題の柱としている成蹊小学校は、2007年度入試で図形構成と同図形発見の複合問題を出題しました。入試では、1ページに5問ずつ2ページにわたっていました。例題は易しい方で、中に描かれた線の形の変化によって、徐々に難しくなるように問題が組まれています。しかし元の形が正方形であることと、それを小さい正方形に4分割する方法は変わりません。
どのような線だと難しくなるのでしょうか?使用されていた線には、直線だけでなく曲線もあったようです。大きな正方形の中を横切るように描かれていたり、やのように閉じた形になっていたりしているものもありました。つまり中に描かれた線自体が、ある特別な形を作っているのです。
この問題で求められているのは、次の2つの点です。
- 選択肢にある図形が、元の図形のどの部分かをすばやく正確に判断する力(図形構成)
- 各部分の、直線の形状と位置関係の異同を細かく吟味する力(同図形発見)
2は、対応する部分を細かく比較する力です。注意力が必要になります。元の形全体に対して、部分である線が同じであるかどうかを判断するのは、同図形発見の力が求められているということです。
つまりこの問題は、2つの課題が複合した問題だと言うことが分かります。ですからこの問題の対策としては、複合問題としての練習の前に、「図形構成」と「同図形発見」の問題を十分にやっておくことが必要です。ひとりでとっくんの「図形構成」「同図形発見」、さらには「図形分割」もその対策には欠かせません。いずれも小学校の入試問題で出題率の高い図形領域の課題です。成蹊を受験される方はもちろん、受験をするしないに関わらず、全てのお子さまにお勧めしたい学習課題です。