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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

分類:総合―分析(横浜雙葉小学校)

第46号 2006/06/16(Fri)
齋藤 洋
■ 分類:総合―分析(横浜雙葉小学校)
※4色の、帽子・ブラウス・ズボン・靴下を身につけた、数人の子が並んでいる絵がある。

※別に4×4方眼が解答欄として用意してある。縦軸に身につけるもの(帽子・ブラウス・ズボン・靴下)が並べられ、横軸に4つの色(赤・青・黄・緑)になっている。

・4人の中のある一人の子が、どんなものを身につけているか、身につけているものそれぞれについて、方眼の中のその色の場所にをつける。

例)黄色いブラウスならば、ブラウスの右のマスの中で、黄色の列と垂直に交差する場所。

 色を問題にしていることからお分かりのように、小学校の入試問題には珍しく、カラーのペーパーを使用したようです。
 問題そのものは、着衣の色による分類ですが、いろいろな要素を含んでいる難問です。
 中心部分は、「総合―分析」と表題にあるように、一人の子どもの、帽子・ブラウス・ズボン・靴下の色が、それぞれ何色かを調べる「分析力」と、方眼の中でその場所がどこになるのか、縦軸と横軸の交差する場所を割り出す「総合力」を問う問題です。

 まず初めに、指定された子がどの子なのか、その判断を間違えてはいけません。その指定の仕方は、持っているものの特徴や、背の高さなど、なぞなぞのような方法が考えられます。左から何番目のような位置表現だったのかもしれません。この段階から問題になっているのですが、いずれにしてもここでミスをすれば基本的な学力を問われてしまいます。しっかり対応できるようにしておかなければなりません。

 そこからが本題です。指定された子どもの身につけているものの色を分析します。
 上記の例では、「ブラウス=黄色」と分析します。そして方眼を見ると、縦軸にブラウスがあります。そのブラウスの右側の列を見ます。この列は上に描いてある色により、左から順番に、赤・青・黄・緑を意味していることを理解する必要があります。ですから、左から3番目にをつけることになります。このようにして、帽子・ズボン・靴下、それぞれの色の場所を探していくのです。

 一見単純に見えて、子どもにとっては難しい問題です。その難しさは、この問題の作業方法にあります。上記のような説明だけで、この方法を理解するのはかなり大変です。たぶん意味が分からなかった子も多いでしょう。
 確かに珍しい問題です。しかしこの方法は、分類の観点を明らかにするためにも、家庭学習で利用すれば、プラス面が多いと思います。また最近の入試では、方眼を使う様々な問題が工夫されています。「位置の対応」や「方眼上の位置」はご存知だと思いますが、「図形系列」や「数の構成」などでも方眼を使う出題がありました。いずれも、縦の列と横の列の関係を利用しているのです。今後も方眼を使った問題は増えていくと思われます。方眼に慣れるためにも、さまざまな問題に取り組んでいく中で、ぜひ上記の問題にも挑戦しておいてください。

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