ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

常識:ジャンケンの勝ち負け(東京女学館小学校)

第40号 2006/04/27(Thu)
齋藤 洋
常識:ジャンケンの勝ち負け(東京女学館小学校)
  • グー、チョキ、チョキ、と3人分のジャンケンの絵が描いてある。

    4人の女の子がジャンケンをしました。4人目の花子さんが勝つためには、何を出せばよいですか。下のグー、チョキ、パーの手の中から選んでをつけて下さい。

  • パー、グー、グー、と3人分のジャンケンの絵が描いてある。

    あいこにするために、花子さんは何を出せばよいですか。下のグー、チョキ、パーの中から選んでをつけて下さい。

 4人の女の子がジャンケンをしている絵があります。その3人の手は描かれていますが、もう一人の手は「?マーク」になっている形です。下には選択肢として、グー、チョキ、パーの手が描いてあり、その中から指示に従ってもう一人が出すべきジャンケンの手を選びます。

 ジャンケンはいろいろな場面でやったことがあるはずです。ですから勝ち負けのルールが分かっていない子はいないと思われるのですが、子どもによっては、ジャンケンは知っているけれど、いつもジャンケンをする時に一対一で、二人でしかやっていない場合に、上記のような集団で行った時の勝ち負けが判断できない場合があります。また、集団でジャンケンをする機会は多いのだけれど、消極的なので、他の子の判断に全てをゆだねているという子も、正確には理解していない場合があります。
 集団ジャンケンのルールのポイントとして、押えておかなければならない点は次の3点です。

  • グー、チョキ、パーの3種類があるときは、あいこである。
  • 全てが、3種類の中の1種類しかない時も、あいこである。
  • 2種類が出ているときに、勝ち負けが決まる。

 これが基本で、勝ち負けが決まってから、さらにジャンケンをしなければならない場合は、勝った者同士、負けた者同士で、またジャンケンを続けることになります。

 上記の1問目の3人の手は、「グー、チョキ、チョキ」になっています。ですからこの場面で勝つためには、「グー」しかありません。子ども達の中には、3人全員に勝たなければならないと思い、迷ってしまう子もいたはずです。しかしこの場合は、グーを出している子と、一緒に勝つ方法を選ぶしかないのです。
 グーとチョキがあるので、「パー」を選んでしまった子もたぶんいるでしょう。しかしそれでは「あいこ」になってしまいます。

 2問目は、「パー、グー、グー」と3人分のジャンケンの絵が描いてあり、求められている結果は「あいこ」です。パーとグーがあるので、このままだとパーが勝ってしまいます。ですから答えは「チョキ」を選ばなければなりません。グーが二人いるので、ついうっかりまた「グー」を選んでしまいそうですが、そうするとやはり「パー」の子の勝ちになってしまいます。

 何でもないジャンケンなのですが、子ども達はいろいろな錯覚を起こすことがあります。その一つに多数決的な感覚でとらえてしまう錯覚があります。2問目にあるようにグーが二人いるから、グーが3人になると「あいこ」の方が多くなるから、あいこに決められると感じてしまうというようなものです。
 前述のルールのポイントをしっかり確認するために、日ごろからジャンケンをする経験を積んで下さい。勝ち負けの順番を考える習慣を身につけることは、ただジャンケンのルールを理解するためだけではなく、未測量領域の三者・四者関係の理解につながっていくのです。

PAGE TOP