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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

数:一対多対応(包含除の複合問題)(光塩女子学院初等科)

第37号 2006/04/06(Thu)
齋藤 洋
数:一対多対応(包含除の複合問題)(光塩女子学院初等科)
※おにぎり・ウィンナー・ミカンがバラバラに描いてある絵を使う。(数は不明)
問.
おにぎり2個・ウィンナー3本・ミカン1個の組み合わせで、2つのお弁当箱に入れると、それぞれ何個ずつ余りますか。余った数だけ、そのお部屋にを描いて下さい。
問.
おにぎり2個・ウィンナー3本・ミカン1個の組み合わせで、3つのお弁当箱に入れると、足りないものがあります。足りないものにをつけ、足りない数だけそのお部屋にを描いて下さい。

 一対一対応・一対二対応・一対三対応に、数の多少が複合した問題です。この問題を以前から出していたのは雙葉です。また他校でも時々みかけるようになりました。
 光塩では最近よく出題する問題で、ここ数年は具体物の種類と場面を変えるだけで、ほとんど同じ問題でいろいろなパターンがあります。

 第1のポイントは、「組み合わせる」という意味がしっかり理解できるかどうかです。別の言い方ならば「グループにする」や「セットにする」という言い方もできます。どの言葉も知っておいた方が」よいでしょう。

 第2のポイントは、その組み合わせ(セット)で囲んでいく方法を身につけていなければならない点です。基本である包含除の問題の作業方法からしっかり練習しておく必要があります。

 包含除というのは次のような問題です。

「11個のミカンを、3個ずつ袋に入れてお土産を作るとき、いくつの袋ができますか?」

 3個ずつミカンを線で囲めば、その囲みそのものが袋を示しますので、分かりやすく答えを導き出すことができます。さらに余りもその場で判断できるのです。

 この方法が身についていても、上記の問題では3種類の組み合わせなので、囲む数を間違え無いようにしなければなりません。
 初めの問題は、お弁当箱2つに、おにぎり2個・ウィンナー3本・ミカン1個をセットにした時、それぞれいく余るかについての問題です。
 問題の出し方からすると確実にどれも余るのでしょう。セットにしていく時の方法がやや難しいかもしれませんが、しっかりそれぞれの数を間違えずに囲んでいく操作ができれば、後は残った数の計数のミスをしないように注意します。実はこのミスが多いのです。

 次の問題は、お弁当箱3つの場合、いくつか足りないものがあるということです。たぶんウインナーと、もしかするとおにぎりも、セットにするとすぐになくなってしまうのでしょう。お弁当箱が1つ増えますので、初めの問題で囲んだ作業線に加えて、もう一回同じ組み合わせで囲もうとすると、もうどれかが足りないので囲めないわけです。でも一応あるだけ囲んでみて、その不足分を調べればよいでしょう。しかし、こちらの問題は、初めの問題に比べて正答率が低くなります。子どもにとっては、余りの方がとらえやすいのです。

 絵に描いてあった数の詳細は不明としましたが、この2つの問題から、おにぎりの数は5個か6個以上、ウインナーの数は7本か8本、ミカンは3個以上ということになります。これだけ分かればすぐに対応できそうですが、前述のように包含除の考え方を基本からしっかり身につけることが最優先です。

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