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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

図形:積み木構成 (暁星小学校)

第24号 2005/12/15(Thu)
齋藤 洋
図形:積み木構成(暁星小学校)
  • 左のお部屋の中の積み木は、右の積み木の組み合わせの中の、どれを使って作ったのか選んでをつける。

 図形構成の問題には、平面構成と立体構成の2つがあります。過去の入試問題の傾向としては、ペーパーテストでは平面構成が多く、個別テストでは立体構成が多かったのですが、最近はペーパーテストでも、立体構成が多く出題されるようになってきました。
 上記の問題はその典型的なもので、類題は暁星の他でも多く見られますので、図形に関する重要問題として、しっかり身につけるようにして下さい。

 さて積み木構成の問題で、学校側は何を求めているのでしょうか。
 立体構成の問題がよく出題されるようになってきた背景には、最近の入試問題全体の流れが反映されているように感じます。それは、より生活的な課題が多くなってきたという点です。

 積み木は幼稚園や保育園には必ずあります。そしてそれを使って遊ぶことも少なからずあるはずです。子ども達はその遊びの中で、形と形の関係性や調和を感じとっているはずです。特別に難問を工夫するのではなく、その積み木遊びの中で培われた、分析力と構成力を学校側は見ようとしているのかもしれません。積み木遊びは、子どもの力を伸ばすのにとても良い教材(玩具)であると同時に、その力を見るためにも良い素材なのです。

 その力とは、立体的なものを正確にとらえる見方です。立体的なものが描かれている場合、見えている部分と見えない部分があります。その見えない部分を感じる力なのです。積んである積み木の、見えない部分を推理する力も同様です。
 この力は年中児から年長児にかけて発達してきます。その発達は日常的な物事への働きかけや行動範囲の拡大によってもたらされるものですが、手近な積み木遊びの中でも伸びていきます。

 ペーパーテストの問題で使われている積み木は、特別なものではありません。子ども達がご家庭で遊んでいる積み木です。ご家庭に無い場合でも、幼稚園や保育園には必ずあるはずです。その形状は、立方体積み木を基本にしたものが中心で、次のようなものが多く使用されています。

立方体・直方体A(立方体の2~4倍の長さ)・直方体B(立方体の半分の長さ)
三角柱A(立方体の半分)・三角柱B(三角柱Aを2つ接合したもの)
円柱A(立方体に内接する大きさ)・円柱B(円柱Aの2~4倍の長さ)
半円柱(円柱Aの半分の蒲鉾状)

 個別テストで実際に見本構成する場合は、子どもが積み木を触ることができるので大きさの関係がつかみ易く、もっといろいろな積み木をする場合もあります。しかしペーパー上に描かれた積み木の場合、上下左右の斜め方向から見た状態にしてあります。それは立体的に見せるためですが、そのために高さや幅、そして奥行きが判断し難くなります。ですから角や辺を合わせることで、ぴったり調和する積み木の組み合わせにしてあると考えられます。
 受験をするしないに関わらず、積み木はとてもすばらしい学習素材です。そして受験をするならば欠くことのできない教材です。まずは立方体積み木だけの見本構成から始めて、その後基本的なセットでよいので、ぜひ用意して活用して下さい。

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