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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

分類:仲間集め(青山学院初等部)

第21号 2005/11/17(Thu)
齋藤 洋
分類:仲間集め(青山学院初等部)
  • たくさん用意された具体物の中で、指示された個数の仲間になるものを探して集める。
    集めたら、何の仲間なのかの問いかけに答える。

例)2つで仲間になるものを探して集めて下さい。

用意されている具体物:
 キャンディの缶・ガラスの瓶・細い瓶・ヘアブラシ・鏡
 目薬の瓶・トイレの芳香剤・ラッキョウの瓶(中身入り)等

 青山では毎年上記のような、具体物を使った「仲間集め」が出題されています。この仲間集めは独特ですが、子ども一人一人の分類の力を見るためには、なかなか良い問題だと思います。しかしかなり時間を要するため、他校で出題している学校はありません。分類の家庭学習には有効なので、ここでご紹介いたします。

 この問題は例にあるように、「2つの仲間」に集めたら、何の仲間なのかを言葉で伝えます。そしてまた元に戻します。次に「3つの仲間・・・」では、さっきの仲間で使用したものをまた集めても構いません。例えば、「2つの仲間」でヘヤ-ブラシと鏡を集め、「髪の毛を整える仲間」にして、次3つの仲間」でも、ガラスの瓶とラッキョウの瓶と鏡を集めて、「ガラスでできている仲間」としてもよいのです。
 ここで鏡は2度使っています。初めは「髪の毛を整える仲間」でしたが、次は「ガラスの仲間」というように、その仲間の観点が変わっています。

   このように、分類活動で求められているのは、一つの具体物のいろいろな特徴(属性)を知っているかどうかなのです。それぞれの特徴について、他のものの中にもある同じ特徴を共通性として認識できれば、それが仲間になります。その特徴(属性)とは、次のようなものです。

 用途・材質・形・大きさ・重さ・感触・色・・・

 用途に関しては、その大まかな使い方から、そのもの独自の使い方まで、さらにいくつかの分類が可能です。材質も単一の素材ではないものもありますから、様々な分類ができますが、重要なのは用途に関わる部分です。例えば包丁は、金属だけでできているわけではありません。柄は木やプラスチックでできています。でも重要なのは、切るという用途に結びつく、刃の部分になります。

 入試問題として出題され易いのは、「仲間集め」と「仲間はずれ」です。ペーパーでの出題も個別テストでの出題もあります。
 「仲間集め」と「仲間はずれ」といっても、この2つは逆の問題ではありません。「仲間集め」は文字通り、あるものと仲間のものを探してをつけるという出題の仕方が基本です。「仲間はずれ」は、たくさんある中で、仲間ではないものを探しますが、仲間はずれを探すということは、他のものが何の仲間なのかが分からなければなりません。つまり仲間集めをしていき、その仲間にならないものを探します。つまり仲間集めの出題の、一つの形に過ぎません。
 最近はかなり難しい「仲間集め」や「仲間はずれ」も、出題されています。その難しさとは、上記のように、1つのものの様々な特徴(属性)の知識を問うものなのです。
 「84 仲間集め」と「29 仲間はずれ」の「ひとりでとっくん」だけでなく、「理科的常識」等の常識問題、また図鑑なども参考に、認識を広げ深めていきましょう。

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