ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

分類:2つのものの違いの言語化(田園調布雙葉小学校)

第18号 2005/10/27(Thu)
齋藤 洋
分類:2つのものの違いの言語化(田園調布雙葉小学校)
※箱の中にニンジンとジャガイモの実物がある。
  • この箱の中に入っているものの名前を言って下さい。
  • 2つの違うところを言って下さい。
  • どちらでもよいので、どんなお料理に使うか言って下さい。

 口頭試問の方法をとっている問題です。3つの質問例を挙げていますが、実際は子どもの答えによって、発展していく場合もあったようです。しかしこの問題の中心は、2問目の違いを言葉で表現する部分です。

「2者の比較(異同)」という場合もある、典型的な分類の問題と言ってよいでしょう。ここでは実物を使っていますが、一般的には絵を使う場合が多く、また言葉で言われる2つのものを比べる場合もたまにあります。対象となるものにはいろいろありますが、今回のニンジンとジャガイモの名前を言えない子はまずいないと思いますが、違いについてはどうでしょうか?

「ニンジンはオレンジ色だけれど、ジャガイモは黄土色」
「ニンジンは長いけれど、ジャガイモは丸い」

 この2つの観点について、言うことができれば大丈夫でしょう。黄土色が言えなくても「色が違います。」でもOKです。さらに切った時に中の色や様子はどうかが言えると、子どもの生活観が分かるので評価が高くなりそうです。

 次の質問は、子どもの日常生活についてです。子どもが料理の中に使われている材料を意識しているかどうかや、お手伝いをしているかどうかが問われていると考えられます。その答え方によっては、どんなことを手伝ったことがあるかや、ニンジンとジャガイモが好きか嫌いについて、その他の食べ物の好き嫌いにも発展しそうです。

 このようにこの問題は、子どもの日常的な「ものとの関わり」を見ようとしているものです。この問題に限らず、分類の問題を含むどんな課題についても、実際に物事に関わることによる学習は、とても大切なことです。その関わりが物事を一面的に見るのではなく、いろいろな観点で見ることができる力を養っていきます。それが幼児の発達に大きな役割を果たします。

PAGE TOP