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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

絵画製作:形を使った想像画(日本女子大学附属豊明小学校)

第17号 2005/10/20(Thu)
齋藤 洋
絵画製作:形を使った想像画(日本女子大学附属豊明小学校)
※紫のクーピーペンシル1本が与えられる。
  • 黄色・黄緑色・オレンジの、丸や長方形の紙が用意されている。
    その中から好きなもの1枚を選んで、画用紙の好きなところに貼り、
    その形を生かして好きな絵を描く。

 想像画は、過去に色々な学校で出題されています。そのほとんどは上記のような紙の形を利用するものや、描かれている図形を使うものです。上記のように形1つからイメージされるものを描かせることもあれば、2~3個の形を使ってその関係性を描かせるものもあります。
 与えられた形の外形を、何か具体的なものに例えて、描き加えることで何の絵なのかが分かるようにしていきます。イメージしたものを外形にして、その周りに描いていっても、形の中に絵を描いても構いません。

 一般的に筆記用具は、鉛筆が多いですが、クーピーを使ったり、サインペンを使う場合もあります。ほとんど1本だけしか使いません。なぜなら形を生かして、別の形のものを描く課題だからです。例えば、長方形の形を紙や布にして、その模様を描いたり、色を塗ったりするのではありません。

 クレヨンを使う場合でも1本しか使わない場合がほとんどですが、クレヨンのセットを用意してくれている場合もあります。だとしても、色塗りをするのでは無く、しっかり形を描き加えることが大切です。イメージしたものになったら、もちろん色を塗って出来る限りしっかりした絵に仕上げます。
 精華小学校の過去問に、同じ形が10個位描いてあり、その1つ1つに描き足して違うものを描いていくものがあります。例えば円に描き足して、お皿・風船・リンゴ・顔・ボールに見えるようにしていくのです。この課題は、想像力と線画の練習になると思います。ただ形の周囲にも描いて、場面を作る練習もしておかなければなりません。「ひとりでとっくん 形を使った創造画」で、いろいろな背景を描いてみましょう。

 時には、形の外側には描いてはいけないと言う指示がある場合もあります。描いた後で切り抜く作業をする場合があるからです。その際は与えられた形をイメージしたものの外形(輪郭)にするので、何をイメージしたのかが良く分かるようにするために、より徹底して、形の中にいろいろ描かなければなりません。例えば楕円形が与えられた形の時に、中に色々な食べ物を描き、お皿にしたり、窓などを工夫して空飛ぶ円盤にしたり、目鼻口を描き、表情豊かな顔にしたりします。イメージできるものが限定されるため、同じものをイメージする子どもが多くなるはずです。その場合は、絵の良し悪しがはっきりすることも確かですが、それ以上に取り組み方に差が表れ、それが評価の差になります。かなり細かい部分まで丁寧に描いた方が良いのは当然です。子どものこだわり方を見ていると言ってもよいでしょう。

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