ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

回転推理(東洋英和女学院小学部)

第16号 2005/10/13(Thu)
齋藤 洋
回転推理(東洋英和女学院小学部)
※周りに8匹(クマ・ゾウ・キツネ・ウサギ等)の動物が座っている回転テーブルがある。
 テーブルには8種類の食べ物(エビフライ・ハンバーグ・すし・スパゲッティ等)が並んでいる。
  • クマがスパゲッティを食べるためにテーブルを回すと、ウサギは何を食べることになりますか?
    その食べ物にをつけて下さい。

   回転推理の問題は、小学校入試でよく出題されているものです。このような中華テーブルをイメージさせられるものと、観覧車の問題があります。
 どちらかというと観覧車の方が一般的で、様々な問題を過去問の中に見ることができます。しかし考え方は同じです。またこの問題の中には、逆思考を現実的にとらえることができる要素が含まれています。

 観覧車との違いは、観覧車では乗っている動物が回転移動していきます。しかし回転テーブルでは、逆に、食べ物をその場所に乗せたままテーブルが回転し、それぞれの動物たちの前に来る点です。

 この回転推理の問題を解くためにしっかり理解しておかなければならないことがあります。それは、観覧車では観覧車全体は回転しますが、動物同士の位置関係は変化しないということです。また回転テーブルでも、テーブルは回転しても、その上に乗っている食べ物はテーブル上から移動することはありませんから、食べ物それぞれの位置関係は変わりません。このことを十分に理解した上で、回転推理の問題に進むことができるのです。

 上記の問題は、実はかなり難しいものです。「テーブルが回って、スパゲッティがクマの前に来たら、すしは誰の前に来ますか?」という問題を考えてみて下さい。「今下にいるクマが一番上に行ったら、一番上のウサギはどこに行きますか?」という観覧車と同じ考え方です。
 この場合、スパゲッティとすしが、同じ回転の仕方で同じ距離動くことは理解できるでしょう。ですから同じだけ動物の前を移動して行く、その移動数を考えることで解決できそうです。

 ところが、上記の問題は、「・・・ウサギのところに何が来るか?」と問いかけています。スパゲッティがクマの前に来る移動数と同じ数だけ、ウサギの位置から逆に戻ったところにあるもの、その食べ物になります。これは逆思考の問題です。間違いの多くは、完全に混乱してしまい投げ出すというものですが、逆に戻れず、ウサギの位置から前に進んだ位置のものを答えてしまう場合もあります。幼児で、回るテーブルで食事をする経験のある子が、どれほどいるのかということも問題ですね。
 観覧車でも同じように、「今下にいるクマが一番上に行ったら、一番下には何が来ますか?」という逆思考の問題があります。
 いずれも年長児になってから取り組めるものですし、完全に理解できるようになるには、ずいぶん時間がかかりますので、実際の場面や動く観覧車教材などを使って、じっくり取り組みましょう。

PAGE TOP