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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

言語:しりとり(光塩女子学院初等科)

第14号 2005/09/29(Thu)
齋藤 洋
言語:しりとり(光塩)
※いろいろな絵が12個描いてある。
  • 下の絵の中の物を、始めの絵から、一番長くつなげてしりとりをして下さい。
    そして最後の物には、つながらなかった物には×をつけて下さい。
    線でつなげても、つなげなくても良いですよ。

 しりとりは、出題率の高い問題です。様々なパターンがありますが、上記のタイプは難問に分類されます。いくつかのパターンを挙げてみましょう。

  1. 2~4つ並んでいる絵から、1つを選んで、しりとりがつながるようにする。
  2. しりとりで並んでいる中で、空いているお部屋に入るものをたくさんある絵の中から選んで線結びする。
  3. たくさんある絵(10前後)を、しりとりでできるだけ長くつないで、線結びしていく。
  4. 4~6つの絵をしりとりでつないだ時に、使えないものを探してをつける。

 典型的なのは、この4つのパターンです。上記の問題は、この中の 3. にあたります。そしてこの問題の難しさは、最後が指定されていないところです。
 ペーパー上にある絵は、しりとりでつながるものばかりではありません。しかし全くつながらないわけではなく、必ず正解になるつなぎ方で使うものと、同頭音のものが用意されています。ですから子どもの中には、本当の正解である、1番長いつなぎ方を発見していなくても、できたと思い込んでいる場合もあるのです。
 できたつもりでも、必ず見直しをする必要があります。というよりも、やり始めから同じ音のものを探して、その中からどちらが長くつながるかを、選んでいく方法を身につける方が良いでしょう。結局 1. の方法でやるために、同頭音を集めることから始めるのです。
 この方法ならば、ミス無く正解を得られる確率が高くなります。それでも判断を誤る場合もあります。その時は、一つずつ戻ってもう一度確認していくだけです。

 しりとりの問題対策として、「逆しりとり」を指導する場合があります。「頭とり」とも言います。これは最後になるものの、「頭音で終わるもの」を探して、逆につなげていくというものです。いかにもすごいテクニックのように思われる方もいるかもしれませんが、お分かりのように上記のような終わりの分からない問題では、全く使えない方法です。確かに 1. 2. のパターンでは利用できる場合もありますが、無理に教え込む必要はありません。先ほどの方法が身についていれば、どんなしりとりでも十分に対応できるはずです。

 しりとりは、言葉遊びとして幼児の生活にも定着しているものなので、取り組みやすい課題でしょう。お母様と二人で、交互にしりとりをする方法は常にやって置かれることをお勧めします。二人だと、自分が言ってすぐに自分の順番が来るので、すばやい判断が必要になります。慣れてくると相手の言いそうな言葉を予想することもできるようになります。
 集団で行うことも大切です。集団で行う時は、他の人の順番の時に余裕を持って考えることができるので、自分の順番の時は、結構苦しむ子でも、同じ音で始まるものをたくさん思いつくことができます。その経験がしりとりの力を強くしていきます。ただ集団の場合は、待っている時に飽きてしまう場合もあるので、間延びしないように気をつけなければなりません。
 さてそのようにしりとり遊びをしていっても、ペーパーでの出題にはすぐに対応できるものではありません。まず、絵を言葉に置き換えることができなければならないからです。
 子どもによっては、すぐにその名称が思いつかない子もいます。その場合には、絵カードや子供向けの図鑑などを使って、指で押さえたものの名称をすぐに言う練習などをたくさんやる必要があります。しりとりのペーパーをやりながら、言葉を増やしていくこともできます。たくさん練習していきましょう。

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