ページ内を移動するためのリンクです
MENU
ここから本文です
週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

その他:常識(暁星小学校)

第11号 2005/09/08(Thu)
齋藤 洋
その他:常識(暁星小学校)
※5人の人が描かれている。その絵を見ながら問題を聞く。

・左から、僕、お父さん、お母さん、お父さんのお母さん、お父さんのお父さんです。
 この中でお爺ちゃんの子どもにをつけて下さい。

 暁星小学校ではここ2年間、上記のような家族関係の理解についての問題が出題されています。どうということも無い問題に感じますが、子どもにとっては、かなり難しい問題のようです。どこが難しいのでしょうか?

 この問題では予め、描かれている絵が誰か順番に説明されています。それは、最初に説明のある、「男の子=僕」を基準にした関係性です。この段階では、特に問題は無いと思われるでしょうが、幼児にとっては当たり前の感覚ではありません。たぶんどのご家庭でも、子ども(ここでは僕)を中心に、それぞれの人の関係性を表現しているはずです。例えば次のようにです。

僕 - お父さん - お爺ちゃん

 しかし上記の説明部分では、それぞれの人を中心にした関係性で表現しています。

僕 - お父さん - お父さんのお父さん

 子どもにとって、「お爺ちゃん=お父さんのお父さん」であることは漠然とは分かっていそうです。でも一般的には、そのことを明確に伝えられている子は少ないのではないでしょうか?そこが難しい1つ目の理由です。

 2つ目の理由があります。それは、問題になっている「おじいちゃんの子ども」という表現です。「子ども」という言葉には、2つの使い方があります。1つは、ある特定の親子関係を指した「だれそれの子ども」という使い方です。もう1つは、「大人に対しての子ども」という使い方です。このことが、「お爺ちゃんの子ども」であるお父さんは、「大人だから子どもではない」となってしまうのです。

 また、この家族関係の理解については、核家族化している現在の家庭状況からすると、とても難しいものになってきています。しかしだからこそ、親がしっかり伝えていかなければならないことなのかもしれません。私立小学校の入試では、今後出題が増えてくる可能性の高い問題だと思われます。ご家庭の実際を伝えるともに、一般的にはどのような関係性があるのかを、しっかり伝えることをお勧めします。

PAGE TOP