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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

推理:系列迷路(立教女学院小学校)

第10号 2005/09/01(Thu)
齋藤 洋
推理:系列迷路(2005年度 立教女学院)
条件
  • アリとゾウがジャンケンをしたらアリが勝ちました。
  • 人とアリがジャンケンをしたらアリが勝ちました。
  • ゾウと人がジャンケンをしたら人が勝ちました。
◎方眼上の全てのマスに、アリ・人・ゾウが描かれている。角のアリから反対角の☆まで、上記のお約束で、ジャンケンの強い順に線で結んでいく。


 この問題は、一般的に図形系列と呼ばれている問題を応用したものです。

 図形系列というのは、図形という言葉が入っていますが、図形そのものの問題ではなく、並び方の法則性を読み取る問題です。つまり順序性の問題で、推理の問題と考えてよいでしょう。最も単純なものは、一列に並んでいる次のような順序性です。

例1) ×××××・・・
例2) 桃・桃・蜜柑・梨・桃・桃・蜜柑・梨・桃・桃・蜜柑・梨・・・

 この中のどこかの場所が空欄になっており、そこに入るものを順序性を考えて描きこんだり、選択肢から選ぶというものが一般的です。ところが上記の問題は一列ではなく、方眼上に並んでいます。予め順序性は指定されており、その順番でたどっていくと、方眼の中を迷路のように進むことになります。順序性をしっかり理解し、いかに正確にたどっていけるかが問われているのです。

 立教女学院小学校では、このような系列迷路がよく出題されます。その他の学校でも時々見かけるものです。立教女学院もその他の学校でも、示された単純な順序でたどる場合が多いのですが、上記の問題はさらに難しいものです。

 大きさ・長さ・重さ・強さ等、量についての「三者関係の理解」という問題があります。多くの学校でよく出題されています。上記の条件のように、A・B・C 3つのものについて、2つずつの関係を聞き、三者の順番を判断する問題です。今回の問題は、その三者関係の問題と系列経路(図形系列)の複合問題になっているのです。

 ただ「アリ・人・ゾウの順番でたどっていく」と言ってくれるのならば単純なのですが、スタートする前に、3つのもののジャンケンの強さの順番を判断しなければなりません。順番を判断してもやっていく内に順番が狂ってしまうことも十分に考えられます。

 難問には違いありませんが、判断力と記憶力、そして集中力の必要な総合問題として、優れた問題だと思います。リストアップしておきましょう。

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