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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

言語:お話作り(学習院初等科)

第8号 2005/07/28(Thu)
齋藤 洋
言語:お話作り(2005年度 学習院)
  • 3つの音を聞いて、その音から思いつく場面でお話を作る。

    例)かもめの鳴き声・ラッパ・自動車
      雷・雨・カエルの鳴き声

表情の変化によるお話作り  学習院では、お話作りの課題がよく出されます。過去の問題を見てみると、その多くは、一場面の絵を見てお話を作るというものです。その絵は、何かのトラブルが起こっている場合が多く、そうなった原因を考え、今見ている状況をお話できるかどうかが問われていました。

 今回のお話作りは、そのような、原因と結果を結びつけるという、お話作りの典型的な出題とは違い、どちらかというと想像力を求めているものです。


 想像力といっても、物語を作らなければならないわけではなく、上記のような、子どもが生活の中で耳にしたことのある音を聞き、その音から思い起こされる、生活場面をお話するという方法でよいと思われます。ただ、「この音を聞いて思いつくお話をして下さい」という言われ方しかしていませんので、そのまま「かもめが鳴いています」と言うだけに終わってしまいそうです。これでは評価は低いでしょう。

 お話作りの課題では、文章をしっかり作れるかどうかという点で、主語と述語の関係をしっかり話すことが最低限必要です。しかしそれだけでは、何も感じるところはありません。できるだけ、その場の情景をいろいろ考え、お話に盛り込むことが求められていると考えて下さい。

 例えば、まず「どこで・・・」なのかを想像することも必要でしょう。そしてさらには、「他に何があるのか」、「誰がいるのか」も盛り込むと、一応お話の形になっていきます。そうすると、

「太郎君が、海に行ったら、大きな船がありました。その船の周りを、たくさんのかもめが鳴きながら飛んでいました。」

 これくらいならば、一応お話と言えそうです。

 主語と述語の関係。これは、お話作りに大切なだけでなく、話の内容理解にも重要なものです。子どもたちの会話には、主語が無いことが多く、自分でも何が言いたいのか分からなくなることがあります。このことを解決していくことが、物事の関係性をしっかりつかむ、第1歩と考えてもよいでしょう。

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