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週刊こぐま通信
「最新入試問題で求められているものは何か?」

分類:なぞなぞ(雙葉小学校)

第6号 2005/06/30(Thu)
齋藤 洋
分類:なぞなぞ(2005年度 雙葉)
6つの円の中に、それぞれ違う組み合わせで、いろいろなおもちゃが4種類ずつ入っている絵がある。

問.
おもちゃが入ってる袋が、たくさんあります。花子さんの袋の中には、お人形があって、バットはありません。でも水鉄砲は入っています。花子さんの袋にをつけて下さい。

 この問題は、「なぞなぞ」と言われている、典型的な分類の課題です。

 一般的な「なぞなぞ」の課題は、ある1つのものの特徴を3つ~4つ聞き、そのヒントを元に、たくさんの具体物や絵の中から、該当する1つのものを選ぶ方法で出題されます。

 雙葉のこの問題は、具体物の特徴ではなく、6つの円の中に6種類のおもちゃの中の何があり、何がないかを聞き、どの集まりのことを言っているのかを判断する方法を採っています。

 どの円の中にも、入っていたおもちゃは4個ずつだったようです。しかしそのヒントでは、2つのものについてしか言われていません。また「・・・はあって、・・・はありません。」というように、肯定と否定があるため、瞬時にどの集まりなのかを判断するのは、大人でもかなり大変でしょう。

 問1で、その解き方をたどってみましょう。

 まず「お人形がある」円を探します。人形が入っている円は3つあるはずです。次に「バットはない」ので、その3つの中からバットがない円を捨てます。最後に「水鉄砲は入っている」から、残りの2つの中で水鉄砲がある方を選べばよいのです。

 このようにヒントの順番に、選ぶ・捨てるを繰り返し、答えを絞り込んでいく方法が採れないと、この問題はスムーズにはできません。

 失敗例は次のようなものです。

 まず「お人形がある」円を探し、次に「バットはない」ので、バットがない円を捨てます。その時に、お人形がある円ではない、他の円の中でバットがない円を探してしまいます。そして最後に「水鉄砲は入っている」から、水鉄砲がある円をまた全て探してしまうのです。ヒントそれぞれについて、該当する円を探してしまうという間違いで、よくあるものです。

「全てに該当するもの1つ」を探さなければならない。
「どれかに該当するもの全て」を探してしまったわけです。

お分かりのように、「集合の考え方」を問う問題なのです。この考え方は、子どもたちがこれから成長していく中で、とても重要なものです。確かに難しい。でも子どもたちは、このような経験を、もうすでに生活の中でしているのです。例えば、お母様の言葉の中にも、この分類の判断をしなければならないことは、多く含まれています。

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