週刊こぐま通信
「何をどう学習したらよいのか」【質問39】
2008年09月26日 回答
受験生の皆さまの学習相談に、こぐま会室長がお応えします。最近の入試傾向を踏まえ、どんな点に力を入れた「まとめの学習」をしたらよいですか。

先週のコラムでも書きましたように、最近よく出る問題は、その学校の過去問になくても最後のまとめの課題にしてください。その中でも特に注視していただきたいのは、次の4点です。
- (1) 話の内容理解の設問形式
- 最近の問題は、昔からある典型的な4つの質問、すなわち、登場人物・順序・数・登場人物の行為だけでなく、あらゆる領域から質問がなされます。たとえば地図上の移動・私は誰でしょう・三者関係の推理・数の逆思考など、これまではほとんど単独で出されていた問題が、話の内容理解の中で問われているということです。話をしっかり理解して聞かないとできないということです。こうした形式の問題に慣れてください。
- (2) 移動に関する問題
- 移動に関する問題は、地図上の移動・方眼上の移動・すごろくなどこれまでも出されていましたが、最近形を変えていろいろ出されています。回転位置移動や旅人算的発想の飛び石移動などはその典型ですが、出題量として位置表象の領域のトップにあるということは、しっかり受け止めておくべきです。
- (3) 常識問題
- 難しい問題の中で、極めてやさしい常識問題が出されます。その量がこれまでにも比べて多いのに注意が必要です。季節・数詞・色の混合・標識などその内容はまちまちですが、生活の中でどれだけ身につけているかを見る中で、普段の生活を点検しているのではないかと思われますので、その内容をもう一度確認しておいてください。
- (4) 手先の巧緻性
- これも、常識問題と言えばそれまでですが、製作課題と絡んで、手先の器用さを見る問題です。生活の中で必要に応じて自分でやっているかどうかを見ています。就学前の子どもが生活の中で身につけておくべき能力を、こうした形で見ようとしているのでしょう。特に、紐についてはさまざまに応用されますので要注意です。

数においては、計数・同数発見・数の多少・一対多対応・分類数の増減などが多く出されています。また図形は、図形構成 - 分割・同図形発見・図形模写・重ね図形などはしっかり押さえておく必要があります。言語領域では、一音一文字・しりとりは絶対に欠かせません。こうした最近の傾向を踏まえて、最後のまとめに力を入れてください。