週刊こぐま通信
「代表のコラム」夏季講習会の授業から見えてきた子どもの学力の課題
第933号 2025年8月12日(火)
こぐま会代表 久野 泰可
こぐま会代表 久野 泰可

- 1.折り紙を使った線対称
-
(1) 指定された形を4つ折の真四角や三角から切り抜く -
(2) 折り紙を開いた時、指定と同じ折り線がつくように折る -
(3) 折り紙を折って切った時、何片に分かれるかを考える
- 2.魔法の箱
-
(1) 箱の中でどんな変化が行われるかを判断し、色・向き・数の変化等の法則性を発見する -
(2) 数の変化について、きめられた法則を当てはめ、最後にどんな数になるか考える
*入試問題を使った練習を基本とします
- a.
- 最後にいくつになって出てくるかを考える
- b.
- 最後に出てきた数を見て最初に入れた数を求める
- c.
- 数の変化を見て、どんな魔法の箱を通ったかを考える
- 3.つみ木の変化・移動
-
(1) 立方体つみ木8個で見本と同じ形を作り、それを1個ずつ移動した見本を見て、 どれを移動したか考えて構成する (2) はじめの形から何個か変化した積み木を見て、何個動かしたか考える
-
- 右のつみ木をいくつか動かして、矢印の左の形にしました。動かした数だけ下のお部屋に〇をかいてください。

- 4.置き換えの応用問題
- 動物村の果物屋さんは次のように果物を取り替えてくれます
- ミカン1個はクリ2個と交換できる
- ブドウ1房はミカン2個と交換できる
- リンゴ1個はミカン1個とクリ1個と交換できる
問題例(1) クリ4個はミカン何個と交換できるか (2) ブドウ2房は、クリ何個と交換できるか (3) リンゴ4個は、ブドウ何房と交換できるか
- 1
- ミカンからクリを聞いたり、ブドウからミカンを聞く課題はかけ算の考え方
- 2
- クリからミカンを聞いたり、ミカンからブドウを聞く課題は包含除の考え方
- 1
- ブドウ2房はクリ何個と交換できますか
- 2
- リンゴ4個はブドウ何房と交換できますか
子どもたちは、果物のシールを貼ったおはじきを操作しながら、答えを導き出していましたが、こうした試行錯誤が大事なのです。ペーパーだけの学習ではこうした試行錯誤の時間がないため、自分の答えのプロセスを言語化できないのです。これでは応用力は身につきません。本当に理解したということはどういうことか、今一度考えてみてください。こう見てくると、ペーパー主義の受験対策は、子どもたちの考えるチャンスを奪い、主体的な学びの育成を奪ってしまっていると言わざるを得ません。
さて、その後、毎日6枚のペーパーを使って、答えの根拠を発表する授業を中心に進めました。ペーパーの難易度は、入試問題レベルですのでかなり難しい内容です。全体で36枚のペーパーの中から、まだ壁になっている課題がいくつかあることがわかりました。それは次の7つの課題です。
1 | 数の総合問題:生活場面を見て四則演算の操作を行う課題 |
2 | 四方からの観察と鏡映像の複合問題:鏡への映り方と反対側から見た時の見え方の違い |
3 | しりとり:逆しりとり |
4 | 飛び石移動:移動する2つのものがどこで追いつき、どこで出会うか |
5 | シーソーにおける消去の考え方:両方に同じものが載っているとき、同じものを降ろして考えることができる |
6 | 交換:仲立ちを伴う交換 |
7 | 重ね図形:半分に折って重なる場合にどんな図形ができるか |
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