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週刊こぐま通信
「代表のコラム」

将来の学びの基礎としての幼児教育

第891号 2024年4月19日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 英語教育の低年齢化に伴い、今再び幼児教育が注目されています。また少子化の影響で、低年齢のうちから生徒を獲得しようとする学習塾が幼児期の教育に関心を持ち、経営戦略の一環として幼児教育に進出し始めています。そのうえ、厳しい中学校受験を避ける意味で小学校受験に対する保護者の関心が高まり、受験塾が乱立し始めています。受験を終えた母親が、その経験をいかして個人塾を開設することは昔からありましたが、今その動きが加速しています。一方で、これまで全く教育に関係のなかった企業が小学校受験をビジネスの対象にし、教育の原理原則を踏まえない「合格させればなんでもあり」の発想による教え込みの教育によって、業界は混乱しています。大小を問わず、明確な指導理念を持って子どもの指導に当たってきた幼児教室がこうした動きに影響され、苦悩しています。そうした「合格請負人」の詰め込み教育で多くの子どもたちが傷つき、そうした子どもたちの入学後の問題行動に、小学校側からも懸念が表明されています。
幼児教育に対する動機づけとして「小学校受験」は意味があると思います。ただ、幼児教育の原理原則もなく、自動車教習所のような訓練を受験教育と思われたのでは、これまで小学校受験に真摯に向き合ってきた指導者が報われません。今こそ受験教育のあり方を糺す時だと思います。
最近の小学校受験に対する保護者の期待は多様化しています。伝統校の教育や宗教教育に対する期待だけでなく、英語教育や将来の受験に対する指導への期待で小学校を選ぶ保護者が増えています。また、新しい理念を掲げて教育内容を改革する学校に対する期待も高まっています。

いま、こぐま会のKUNOメソッドは、小学校受験に向けた基礎教育の指導のために多くの教室で導入されているだけでなく、受験に関係のない幼稚園や保育園、受験を対象としない幼児教室でも採用されています。中学校受験で有名なサピックスの幼児部門である「幼児教室サピックスキッズ Supported by こぐま会」 のカリキュラムにも採用され、小学校受験はしないけれど「幼児期の教育は大事なので・・・」と考えるご家庭が大勢集まっています。その意味でも、意図的な幼児教育が小学校受験のためだけにあるものではないということが、お分かりいただけると思います。将来の学びの基礎を身につける幼児教育として捉え、そのうえで、小学校受験にも対応する指導が必要です。合格がゴールではなく、将来の学びのスタートとなるような教育を目指さなければなりません。そのためには「考える力」を身につけるだけでなく、学びに向かう姿勢を幼児期にしっかり作っておくことが必要です。それこそが、幼児期の教育が目指すものであるべきです。合格はしたものの、小学校に入ってから問題を抱えこむような受験教育は排除されなくてはなりません。教え込みの教育では、学びに向かう積極的な意欲を育てることはできません。逆に言えば、その意欲を育てることこそが幼児教育の目的でもあるのです。

目先の小学校受験ではなく、その先の中学・高校受験に立ち向かう子どもたちにとって、大事な幼児期の教育に光が当たれば、現在の間違った受験教育は淘汰されていくはずです。私たちが目指す受験教育は“その先の学び”を見据えた意味のあるものでありたいと願っています。
こうした考えのもと、5月3日(金・祝)にサピックス教育事業本部本部長の広野氏をお招きし、中学校受験の現在を踏まえて「将来の学びにつながる受験対策」と題した講演会を開催いたします。私も登壇しますので、小学校受験を志すご家庭のお父さまはもちろん、小学校受験はしないけれども将来の学習の基礎として意味のある幼児教育をお考えのお父さま方、どうか今の中学校受験がどうなっているのかも含め、幼児期に何が大事かを考える機会にしていただきたいと思います。

※次回のコラムは5月に掲載いたします

5月3日(金・祝) 10:00~11:30 開催

 お父さまのための SAPIX × こぐま会企画
「将来の学びにつなげる受験対策」

登壇者への質問を募集中!  詳細・申し込み方法はこちらをご覧ください
  • 第一部 「正しい幼児期の基礎教育で育つ力」
    (講師:こぐま会代表 久野泰可)
  • 第二部 「中学受験で伸びるお子さま、成功するご家庭」
    (講師:SAPIX教育事業本部本部長 広野雅明 様)
 コロナ禍において、私立小学校における教育環境の充実や独自の取り組みが評価されるなか、中学校受験や海外留学など、小学校受験に対する動機や考え方も多様化しています。また一方で、塾側から押し付けられた間違った受験対策によって、お子さまの成長が妨げられてしまう弊害は、現在に至るまで解消されていません。そのような状況の中、いま学校側が求めているものは「聞く力」、作業を通して問題を解決していく「考える力」、そして、自分で考え、判断し、行動できる「主体性」です。
本講演会では、こぐま会代表の久野泰可が、最新の入試傾向を踏まえながら、思考力を育てる正しい受験対策についてお伝えいたします。そして、難関中学受験最大手「SAPIX小学部」 の広野雅明氏をスペシャルゲストとしてお迎えし、最近の中学受験を取り巻く状況についてお話しいただきます。小学校受験を目指すご家庭にとっても、中学受験についての正しい知識が必要です。今回は質疑応答の時間もたっぷり設けております。この機会にぜひ正しい考え方と正確な情報を獲得し、お子さまの教育に自信をもって取り組んでください。
【定員】50名 / 【費用】1,100円(税込)

読み・書き・計算はまだ早い!

 こぐま会代表 久野泰可 著「子どもが賢くなる75の方法」(幻冬舎)

家庭でできる教育法を一挙公開
子どもを机に向かわせる前に実際の物に触れ、考えることで差がつく。
  • 食事の支度を手伝いながら「数」を学ぶ
  • 飲みかけのジュースから「量」を学ぶ
  • 折り紙で遊びながら「図形」を学ぶ
  • 読み聞かせや対話から「言語」を学ぶ

 KUNOメソッド こどもがかしこくなる絵カード(幻冬舎)

幼児の日常生活の中にある学びをカード化!
おうちで体験できるKUNOメソッド
子どもたちの生活の中でできる学習経験を、ご家庭でより実践しやすいようにカード化いたしました。
お求めは、SHOPこぐまこぐま会ネットショップ 全国の書店・各書籍ECサイトにて

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