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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

2023年度 第3回 全国幼児発達診断テストが始まりました

第870号 2023年9月29日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 「全国幼児発達診断テスト」 の第3回目が現在行われています。3,000名近い子どもたちが20の問題に挑戦しています。このテストは、こぐま会が実践している「KUNOメソッド」の指導に沿った「考える力」の発達度を見る意味で実施しており、決して小学校入試のための模擬テストではありません。将来の教科学習の基礎として大切な考え方を、子どもの生活や遊びの場面を使って問いかけています。そのためテスト問題は、通信教育や幼児教室での学習をしていなくても、生活の中での経験をもとに解答可能なものを中心に選択し、構成しています。第3回目のテスト内容は以下のとおりです。

第 1問 逆対応
第 2問 砂糖水の濃さ
第 3問 四方からの観察
第 4問 7の構成
第 5問 10の構成
第 6問 同音異義語
第 7問 法則性の理解「図形系列」
第 8問 法則性の理解「回転テーブル」
第 9問 シーソーによるつりあい
第10問 交換
第11問 飛び石移動(旅人算の基礎)
第12問 地図上の移動
第13問 交通道徳
第14問 標識の意味
第15問 数の変化「数の減少」
第16問 数の変化「魔法の箱」
第17問 重ね図形
第18問 半分折りの重ね図形
第19問 回転図形
第20問 話の内容理解

それぞれの問題の意図と結果の分析は、テスト終了後に詳しくお伝えするつもりですが、ここでは、今回のテストが教科学習とどうつながっていくのかを少しまとめて述べたいと思います。

こぐま会では、教科前基礎教育の内容を6つの領域に分け、将来の主要4教科を支える考え方の基礎を系統的に指導しています。今回のテスト問題をその6領域の視点で分析すると、次のように分けられます。
  1. 「未測量」:量の学習を通して数概念の基礎をつくります
    第1問・第2問・第9問
  2. 「位置表象」:空間認識の学習を通して図形の基礎をつくります
    第3問・第12問
  3. 「数」:四則演算の基礎をつくります
    第4問・第5問・第10問・第11問・第15問・第16問
  4. 「図形」:図形的なセンスを磨くために、平面図形と立体図形に分けて学習します
    第17問・第18問・第19問
  5. 「言語」:聞く・話すを中心に国語科の基礎をつくります
    第6問・第20問
  6. 「生活 他」:理科や社会科につながる常識問題と、論理が求められる法則性の理解を中心に学びます
    第7問・第8問・第13問・第14問

年長児を対象に作った問題ですが、年中児にも解ける問題があるはずだということで参加していただいています。ただ今回は、年中児の皆さまにはちょっと難しいと思われる問題もいくつか入っています。第3問・第8問・第10問・第16問・第18問がそれにあたりますが、どこまで理解できるか挑戦してみてください。幼児期の教育の場合、どこまで理解できたかだけでなく、どこから理解できていないかを知ることもたいへん大事です。「なぜできなかったか」を分析していくことで、当面の教育課題が明確になっていきます。その意味で、できない現実を知るということも大事です。

今回の問題の中には、小学校受験でも採用されているものがいくつかあります。今年受験する年長の皆さまは、最後のチェックのつもりで受験してください。また、将来中学受験を目指すお子さまにとっても、幼児期と小学校のつなぎの課題としてこうした問題に取り組むことは、たいへん意味のあることだと考えています。


 こぐま会代表 久野泰可 著「子どもが賢くなる75の方法」(幻冬舎)

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