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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

「こぐま会Webレッスン」制作裏話

第738号 2020年9月25日(金)
こぐま会代表  久野 泰可

 前号のコラムでご紹介した「こぐま会Webレッスン」は、今期に限り会員の皆さまの家庭学習に使っていただくために、セブンステップスカリキュラムの学習開始に合わせ、9月9日から配信を開始しました。毎週火曜日に4人のスタッフと私がスタジオに入り、約3時間かけて96回配信予定の2回分の撮影をしています。撮影までに具体物教材を作成し、映像が配信されるまでにご家庭に届けなくてはなりません。また、ペーパー教材も新たに作らなければなりません。その準備が延々と続き実際の撮影に入りますが、3時間にわたる撮影は、話す方もスタッフもかなりのハードワークです。その上、編集作業が必要です。子どもたちが楽しみながら学習できるように工夫するため、この作業も大変時間がかかります。そして完成した映像をオンラインで会員のご家庭にお届けしています。

準備・撮影・編集・配信と、子どもたちに届けるためには相当の時間を必要としていますが、この「こぐま会Webレッスン」が完成すれば、これまで懸案だったさまざまな企画が同時に解決するだろうという期待をもって制作にかかわっています。制作方法については、こぐま会のヒット商品である「ひとりでとっくん365日」の方法を採用しています。「ひとりでとっくん100冊シリーズ」に続く「ひとりでとっくん365日」の問題集が評価され、毎年多くの皆さまに使っていただいている理由は、問題集の作り方にあると思っています。それは、教室での指導内容に準拠していること、実際の授業で使い、検証を繰り返して作成していること、保護者向けに詳しい解説本を付けていること・・・こうした教材づくりの姿勢を、今回の制作にも貫いていきたいと思います。今回は家庭学習でどのような効果が見られたのか検証が必要ですから、実際に使ってみた上での子どもの取り組みの様子や、保護者の皆さまの感想やご意見を集約して、それを制作の際に生かしていかなければならないと考えています。配信を開始してまだ半月ほどしか経っていませんが、すでにいろいろなご意見が届いています。子どもの取り組みだけでなく保護者の皆さまに幼児期の基礎教育の方法が伝われば、教室とご家庭が同じ考え方で子どもの「考える力」を育てることができるのではないかと期待しています。そのためにも、単元ごとの授業説明に力を入れていきたいと考えています。
前回に引き続き、ステップ1の「数」で学習する3つのテーマ、すなわち「5の構成」「正しく数える」「同数発見」のうち、「5の構成」のレッスンと授業説明の部分の映像を紹介いたしますのでご覧ください。



中国では、コロナウイルスによる授業停止措置の中で多くの教室が閉校にする事態になり、代わってオンライン学習が盛んに行われるようになったそうです。その中で、特に人気の高いオンライン授業を運営している4社の映像を拝見させていただきましたが、どの授業も一方的に授業を進める形で、小学校以降のオンライン授業の方法と何ら変わりがないようです。幼児期の教育においては、一方的な知識の伝達やテスト形式の授業では「考える力」は育ちません。試行錯誤する時間がどうしても必要です。日本においても今後、幼児向けのオンライン授業がたくさん作られていくと思いますが、タブレットだけであったり、ペーパー学習だけであったりするような、一方的な授業方式をとるものが多くなることが予想されます。しかし、それでは幼児期の子どもたちの学習の動機付けにはならないし、集中もしなくなるでしょう。その結果、付録をたくさんつけて、その付録に子どもが興味を示すような本末転倒なものになっていくでしょう。商品としての楽しさも大事ですが、学びの楽しさをどう演出するかも大事です。こぐま会では、これまでの授業経験や教材づくりを可能な限り活かした「こぐま会Webレッスン」を作り上げたいと思います。問題集で皆さまに支持された方法を十分活用して、質の高い商品に仕上げたいと思います。

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