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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

父親のための勉強会 土曜ゼミ

第423号 2014/2/7(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 毎年行っている父親のための勉強会、「土曜ゼミ」の第1回目を、2月1日の夜行いました。今年は、過去最高の40名を超すお父さま方に集まっていただきました。この土曜ゼミは、お父さま方にも入試の実態を正確に知っていただき、冷静な判断をしていただきたいという想いから始めたものです。今年で6年目を迎えますが、入試対策を母親だけに任せないで、家族一丸となって取り組むご家庭の合格率が高いことが毎年証明されています。昨年秋に行われた入試でも、ほとんどのご家庭が合格できました。第1回目の今回は、昨年秋に行われた入試の問題分析と、「これからどんな考え方で学習を積み上げていったらよいのか」、その中で「合格に向けた父親としての役割は何なのか」を具体的にお伝えしました。また今回は、昨年秋に受験し合格を果たした2名のOBの方にも参加していただき、体験談・苦労話をしていただきました。私たちの報告よりも、きっと体験談のほうがお父さま方には参考になったのではないかと思います。

実は、昨年度の土曜ゼミOBの方々の「打ち上げ会」を、1月18日の夜に行いました。その席でも、お父さま方の隠れた努力を知り、家族全員で取り組む受験は、子どもの精神状態を良好に保つためにもとても良いとあらためて思いました。その席で、今年受験する皆さまへのアドバイスをお願いし、実現に至ったわけです。これから行われるセミナー等にも出席していただけるようお願いしましたので、今年は今までになくOBの方々の貴重な体験談が聞けるのではないかと期待しています。

入試情報に関する1時間の私の話と、OBお2人の体験談を聞いていただいた後、同じ部屋で懇親会を行いました。夜9時前から始まって10時半過ぎまで続きました。参加されたお父さま方に、1人ずつ自己紹介を兼ねて現在の心境等を語っていただきましたが、例年通り、みずから積極的に参加したというより奥さまからチケットを渡され、「行ってきなさい」と言われて参加された方が多く見られました。しかし、OBの方の話や他のお父さま方の話を聞いて、「これではまずい」と感じた方が大勢いらっしゃったようで、「好きなゴルフも今年は封印」といったご意見も見られました。父親同士の交流では、「自分だけ・・・」と思っていた心配事が共有できて、大変気持ちが楽になったようです。これからも正確な入試情報をお伝えし、間違った受験対策にならないよう、私たちも最大限協力していきたいと思っています。

私の報告の中で、入試の実態を身近に感じていただくために、今年も実際に出された入試問題を3問やってもらいました。毎年そうですが、実はこの経験が大きな意味を持つようです。大人でも難しい問題がある、これを我が子がどのように取り組み理解していくのだろうか・・・そう考えて自分も一緒に勉強しようと考えるお父さま方が例年多く見られます。今回は、「数」に関する問題、「図形」に関する問題、「話の内容理解」の3枚だけでしたが、初めての入試問題に相当面喰ったようで、とくに「話の内容理解」に関しては、とても覚えきれないと音を上げていました。そうした経験の中で、入試問題が相当工夫されていること、詰め込み式の教育では絶対に解けないこと、考える力の育成や試行錯誤力が必要だということを、実感していただけたと思います。小学校受験は、特別な教育ではなく、将来の学習の基礎をしっかり身につける「幼児期の基礎教育」が大事だという事をわかっていただけたのではないかと思います。「毎日何十枚というペーパーをこなさなければ合格できない」という噂話が間違いであることは、しっかりお伝えできたと思います。その上で、さて秋の受験までどうするか・・・その点に関しては、私の報告よりもOBの方のお話を通して、「やるべきこと」「やってはいけないこと」がしっかり伝わったのではないかと思います。

間違った方向に向かっている「受験対策」のあり方を何とか正常化したい・・・その想いで、できる限り入試に関する正確な情報を伝えてきました。会員の方だけでなく、「ひとりでとっくん365日」を使って勉強されている全ての方々に、未公開の入試情報をできる限り正確にお伝えしたい・・・そんな想いで、「土曜ゼミ」 「お母さまゼミ」「合格カレンダー連続講座」「女子校合格フェアにおける講演会」・・・等を企画してきました。受験がきっかけだとはいえ、「受験対策」は、幼児教育の最大の動機づけだと思います。まともな「幼児期の基礎教育」を実践することで、入試も突破していく構えが大事です。間違った方法は、子どもの成長の芽を摘み取ってしまい、学ぶことそのものが嫌いな子をつくってしまいます。何のための小学校受験だったのかと後悔しないように、まともな方法で受験に取り組んでいただきたいと思います。幼児期の基礎教育は、受験教育と相容れないものではありません。それだけ学校側が問題を工夫し、何が大事かを踏まえた問題づくりに専念しています。決して詰め込み式のペーパートレーニングだけで解決できるものではありません。

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