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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

来秋受験に向けた「お母さまゼミ」がスタートしました

第413号 2013/11/22(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 今年の私立小学校の入試はほとんど終了し、あとは国立附属小の入試を残すだけとなりました。今年の入試がどのように行われたかは、12月8日と15日に行われる「入試結果報告会」で詳しくお伝えする予定です。子どもたちから聞き取った入試問題を分析し、来年の入試に向けた対策をお伝えしたいと思います。

これまで集めた資料を見る限り、今年の入試もいろいろな変化があったようです。

  1. 多くの学校で昨年と比べると志願者が減っており、2007年度から続く、志願者減少傾向はまだ続いている
  2. 入試問題が易しくなり、基本問題に回帰している
  3. 特に入試の中心であった数の問題が減っている
  4. その代わりに、図形や言語領域の問題が増えている
  5. 行動観察の重要性が増し、学力が高くても合格できない子どもが多数見られる
  6. 大人の手によって型にはめられた「受験向き」とされる子どもより、明るく、子どもらしく、自己表現力が豊かな子が大勢合格している

ともかく一番の特徴は、難しい入試問題が減り、基本問題が多数を占めるようになったことです。昨年の「四方観察」のように、今年復活したものの一つに「点図形」があげられます。いずれも、昔からある典型的な基本問題ですが、一時期ほとんど出されなくなったものが、複数校で復活し始めているのはどういうことでしょうか。難問が減り、基本問題に回帰しているということは、いわゆる受験向けとして行われる詰め込みトレーニングが、将来の教科学習にとってあまり意味がないということに、学校側が気づき始めた証拠です。それよりも、自立した思考力やコミュニケーション能力が、将来の学習活動にとってとても意味があると考え始めているからにほかなりません。私がこれまで主張してきたように、受験には特別な勉強は必要ありません。幼児期の基礎教育をしっかりやることがそのまま受験対策であるし、子育ての総決算として受験を受け止めるべきだという学校側のメッセージが、いよいよ実行されてきていると強く感じています。基礎も応用もなく、ただがむしゃらにペーパートレーニングによって過去問をこなすような学習を、学校側が拒否し始めたと言っても過言ではありません。

さて、入試が始まると同時に、来年秋に入試を迎える年中児の受験対策がスタートしました。こぐま会では、週1回の基本クラスと学校別講習会の2本柱で受験対策を考えていますが、現在の入試傾向をみると、ますます「基本クラス」の授業が重要度を増していることがわかります。基礎がないところで学校別対策だけをしても、現在の入試傾向に対応できないことははっきりしています。9月から始まったセブンステップスカリキュラムは、現在「ステップ2」まで進んでいますが、最近の入試問題は、この最初のステップからも多くの問題が出されています。難問が多かった頃はステップ4・5あたりからの出題が多く見られましたが、今年の問題を見ると、ステップ1や2からの関連問題もたくさん出されていることがわかります。

昨年から再開した家庭学習のための「お母さまゼミ」を、今年はステップごとに行うことにしました。11月12日に行った「第1回お母さまゼミ」では、ステップ2の内容に関する家庭学習の進め方を伝えました。学習ボードを用意し、その使い方を通して、それぞれの単元で学ぶポイントと関連する入試問題の取り組み方について具体的にお伝えしました。その内容は以下の通りです。

第1回お母さまゼミ 「入試に絡む重要事項の説明」
1. 重さくらべ
  • シーソーによる三者関係の理解
2. 左右関係、上下-左右関係
  • 相手の右手左手
  • 交差点の曲がり方
3. 一対一対応
  • 比較の方法
  • どちらがいくつ多いか(少ないか)
  • ~より~個多い(少ない)数
4. 立体構成
  • 基本立体の理解 円錐作り
  • 秘密袋(触索による立体の理解)
  • 8個のつみ木を使った構成
5. 短文づくり
  • 動きを表す言葉の理解
  • 時系列
  • 4場面の絵を使ったお話づくり
6. 理科的常識の理解
  • 切断面
  • 季節
  • 鏡映像
  • 音の理解

毎週1単元ずつ進む学習ですから、基本問題といえども繰り返しのトレーニングが相当必要です。それこそが家庭学習の課題であり、それをするかしないかは、子どもの成績向上に大きく連動しています。この大事な家庭学習を正しく行うために、この「お母さまゼミ」において、正しい指導法を身につけていただきたいと思います。昨年度も、この講座で学び家庭で実践した方が、大勢合格を果たしています。

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