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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

30期生 第1回土曜ゼミを終えて

第330号 2012/3/2(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 2月25日(土)に、今年度最初の「土曜ゼミ」を開催しました。お父さまのための勉強会として発足した「土曜ゼミ」ですが、今年で4年目を迎えます。年5回の予定で、その時期にふさわしいテーマを取り上げ、正確な入試情報と家庭での学習の進め方について、お父さま方に伝えていく予定です。今回は今年最初の集まりでしたので、次のような内容でお話しさせていただきました。

お父さまのための土曜ゼミ
第1回 「小学校受験 父親としての役割」
  • 2012年度入試の総括
     1. 問題の傾向はどう変化したか
     2. 合否判定はどう変化したか
     3. こぐま会からの合格者数について
  • 今後の学習の進め方
     1. 入試問題の傾向
     2. これからの入試対策
     3. 間違った受験対策にならないように
  • 合格体験談
    土曜ゼミOB会のお父さまより、父親として受験にどう関わったのかを振り返っていただきます

最近は、お父さまの中にも小学校受験に熱心な方が増え、教室への送り迎えから家庭での学習まで、お父さま中心で準備を進めているご家庭もありますが、大半は母親中心で準備が進んでいきます。ですから、今回参加の40数名のお父さま方の中にも、クラス名も知らない、担任が誰かも知らない、こぐま会がどこにあるのかも知らない・・といった方が何人かいらっしゃいました。今回の「土曜ゼミ」も、受講券を渡されしぶしぶ参加された方もいたようです。

今回のセミナーでは、実際の入試問題を解いてもらったりしながら、入試の実態を肌で感じ取っていただき、間違った受験対策で勉強嫌いな子をつくらないよう、どのようの方法で勉強を積み上げていったらよいのかをお伝えしました。特に、地方出身で東京の教育の実情を知らないお父さまと、小学校から東京の私学で学び、受験に熱心なお母さまとの意見がかみ合わず、苦労されているご家庭が多いことをお話しすると、多くの皆さまがうなずいていました。

ところで、最近の入試では父親の果たす役割が以前より大きくなってきたと思います。中でも、面接が重視されていること、面接の内容が子育てにどれくらい参加されているかどうかをチェックするような質問が多いことなどを伝え、感情的になりやすい母親よりも、冷静に対処できる父親が家庭学習に取り組んだ方が効果があることなどをお伝えしました。今回は卒業生のOB の方にもご参加いただき、経験を踏まえ、受験において父親の果たす役割などをお話ししていただきました。その中で紹介された「怒らないこと」という本は、参加者の皆さまにも大いに話題を提供したようでした。入試に向けた家庭学習で、怒らないことを実践するのは難しいことですが、この本を紹介されたOBの方は、「怒らない」で、ほめて育てる教育を実践されることを勧めていらっしゃいました。

1時間半のセミナーのあと、軽い飲み物と食べ物を用意した別の会場で懇親会を行いました。初めて顔を合わせるお父さま同士でしたが、共通な目的があり、同時に共通な悩みがあるのか話が弾み、予定時間を大きく超えて22時過ぎまで歓談されました。途中、一人ずつ自己紹介を兼ねて、それぞれのご家庭が直面している問題、小学校受験にかける想い、今日のセミナーに参加されての感想など、いろいろお話しくださいました。しぶしぶ参加されたお父さまも開眼されたようで、明日から心を入れ替えて頑張ると宣言されていました。

根拠のない噂話が飛び交う環境の中で、迷走する母親を毎年見ていると、お父さま方がご家庭の方針を明確に持ち、受験を仕切った方がうまくいくかもしれないと感じることが多くあります。私の知り合いの方がご自身の娘さんの子育てを通し、『早期教育は父親が仕切れ』(森口朗氏・東洋出版、1997年)という本をだいぶ以前ですが出版されました。そのまえがきの部分で、次のようなことを述べています。

「本書は、少子化した現代の核家族における最大の関心事である教育、とりわけ母親に負担の大きい早期教育に父親が積極的に参加することで、早期教育がより効果的に行われ、さらに母親の社会からの疎外感と父親の家庭内での疎外感を同時に解消することを提言するものである」(p.3:なぜ早期教育は父親が仕切るべきか)

「早期教育に関する極端な情報に振り回される母親と、その影響をもろに受ける子どもを救い、さらに父親自身の立場を確立するために、「父親」が『早期教育を仕切る』ことを提言する・・・・・」(p.5)

「土曜ゼミ」を続けてきた私たちの想いもそこにあります。

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