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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

幼小一貫教育を考える会

第186号 2009/2/13(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 2月7日夕方、こぐまクラブにおいて「幼小一貫教育を考える会」設立総会を開きました。この会は「幼小一貫教育」の中身を構築するにあたり、幼・小・中の現場教師の交流を活発に行い、何をどう学べば良いのか、どのようにカリキュラムを組めば良いのかといった具体的な課題を議論するために、私の呼びかけで立ち上げた会です。今回お集まりいただいたのは、小学校教師、中学・高校教師、保育園・幼稚園の保育者および経営者、中高入試対策を行っている塾講師など、現在子どもたちの指導にあたっている30名ほどの方で、遠く仙台や京都からも参加していただきました。

私がこの会の発起人になって参加を呼びかけた理由は、いくつかあります。

  1. 中高一貫や小中一貫教育は既に実施されているが、それ以上に「幼小一貫教育」は大事であり、理念だけでなく具体的な教育プログラムを作る段階にきているのではないか。
  2. 幼児期の教育は、教科学習の基礎をなす大事なものである。こぐま会が実践している「教科前基礎教育」の中身をさまざまな年齢の教育に従事している教師の皆さんに提示し、評価してもらうことが大事ではないか。日々の教育活動の中で学力差となって表れてくるものを追究していくと、必ず幼児期の教育のあり方が問題になってくるのではないか。そうした観点から考えて、幼児期に最低限すべきことを具体的に明らかにしたい。
  3. 遠山啓氏が訴えた「原教科」のあるべき姿を、実際に教科学習の指導に携わっている現場教師から提案してもらう必要がある。
  4. 現在の教科学習の内容を一度疑ってみると、もっと違った発想の教育プログラムが構築可能ではないか。上から下へ学習内容を薄めておろすだけでなく、こぐま会で実践してきた「論理的思考力を育成する教育」を上まで一貫させれば、相当高度な論理教育が可能となるのではないか。
  5. 民間の力では解決できない課題も多いが、利害を超えて民間の現場教師が手を結ぶことによって、幼児教育の中身を豊かにしていきたい

午後6時から始まった研究会は8時半近くまで続き、この研究会にかける想いを参加者全員が現場経験を踏まえて語り合いました。その上で、遠山啓氏が1972年に著した「歩き始めの算数」を参考に、「原数学」「原国語」「原造形」・・・などをめぐって意見交換しました。その中で今後追求すべき課題もいくつか明らかになりました。

  1. 知的好奇心をどう育てるか
  2. 言葉を獲得していく過程をどう大事にしていくか
  3. 具体物に働き掛けながら認識を育てるプログラムをどう作り出していくか
  4. 「幼小一貫」と「幼小連携」とはどう違うのか。幼小一貫といった場合、何を持って一貫とするか
  5. 話す力・聞く力をどう育てるか
  6. 考える過程を言葉で説明させることを通して、「数の教育」は「話す力」の育成と結合できるのではないか
  7. 「小一プロブレム」などの問題対策として、生活面におけるレディネスをどう考えたら良いのか
  8. 小学生になってから始まる既存の教科内容と、教科前基礎教育で積み上げた内容をどのようにつなげていけば良いのか

私自身は、算数については中学受験の指導の経験もありますので、どこで学力差が生じるかはよくわかっているつもりでいます。幼児期の教育を考える際、子どもは将来どこで壁にぶつかるか、そのために幼児期に何をしておけば良いのか・・・といったことを小中高の現場の先生方の報告から学び、日々の指導に活かしていきたいと考えています。

今後輪を広げ、幼稚園や保育園の先生方、小学校の現役教師、保育者を目指す学生の皆さん、日々教室で悪戦苦闘している幼児教室の先生方にもご参加いただき、子どもたちのために研修を重ね、また、発達を踏まえた指導内容の確立を目指したいと思います。

「幼小一貫教育を考える会」にご関心のある方は、下記のメールにご連絡ください。
E-Mail
koguma@kogumakai.co.jp
件名
「幼小一貫教育を考える会」
※恐れ入りますが、件名(タイトル)は必ず上記の通り入力をお願いいたします。

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