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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

父親のための土曜ゼミ

第187号 2009/2/20(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 2月14日(土)の夜、今年受験するご家庭の「父親」を対象とした「土曜ゼミ」をこぐまクラブにて開きました。このゼミは昨年から始めたもので、昨年は懇親会を含めたいへん好評でしたので、今年は年5回の開催を計画し、その第1回目を行いました。施設の関係から30名限定で行うつもりでいましたが、会員の皆様からのお申し込みが50名を超えたため、2回に振り分けて行うことにしました。お申し込みを見る限り大変興味を持たれているようで、私たちも正確な入試情報と入試分析を伝える場として育てていきたいと考えています。今回は第1回目とあって、ともかく「入試の現状」を正しく知っていただくために、昨年秋に行われた2009年度の入試を細かく分析し、お伝えしました。私からは次のような観点で1時間半ほど報告させていただきました。

<2009年度の入試報告>
  • 問題の傾向はどう変化したか
  • 合否判定はどう変化したか
  • こぐま会からの合格者数から何が読み取れるか
<小学校入試の現状と問題点>
  • 入試はどのように行われているのか
  • 合否判定に絡む噂の真相
  • 間違った受験対策
<どんな能力が求められているか>
  • 実際に出された問題を解き、分析する
  • 何が子どもにとって難しいのか

また今回は、昨年秋に受験し複数校合格した卒業生のお父さまにもご出席いただき、父親としての心構えや実際に実行したことなどを細かくお話ししていただきました。私たち職員の報告よりも、実際に経験された父親の立場からの体験談の方が、お父さま方の意識変革には効果があるようにも感じました。

家庭での父と母の役割分担、家庭学習の仕方、1年間意図的に行った季節の行事体験、併願校の考え方、願書を書くにあたって気をつけたこと、父親と母親に同じ質問をぶつけてくる最近の面接試験での父親と母親の役割・・・など、本当に1年間家族全員で入試対策に取り組んできたお話を伺うことができ、参加されたお父さま方だけでなく、私を含め職員もその工夫の仕方に感動しました。こうしたお話を伺えば伺うほど、塾主導で行われている願書添削や模擬面接での型どおりの指導では、家庭らしさが伝わらない、心のこもらない願書や面接になってしまい、かえってマイナスになるということを知っておかなくてはなりません。願書に書く1行の文章のために、1年間どれだけ努力して子どもと過ごす時間を作り出してきたのか。このお父さまの実践をお聞きすると、そう感じます。「願書のこの欄にはこう書きましょう」「こう聞かれたらこう答えましょう」といった指導がどれだけ無意味な事か。・・・以前からそう主張してきたことが間違っていなかったことをあらためて感じました。

とかく入試情報が伝わりにくい父親に、正確な入試情報や分析を伝え、また相互に情報交換することによって、入試の実態やそれぞれのご家庭で抱える問題の共有ができ、少し回りの様子がわかってくると、噂話で足元をすくわれ右往左往しがちな母親を自信を持って支えられるのではないかと、密かに期待しています。

場所を他の教室に移して行った「懇親会」では、参加されたお父さま方からひとりずつ自己紹介を兼ねた受験に関する想いをお話ししていただき、私たち職員も輪の中に入っていろいろ意見交換をしました。20時すぎから始まった懇親会も時間を忘れて交歓が続き、22時過ぎにやっと散会しました。これからも毎回テーマを決め、できるだけ具体的な問題に絞った「土曜ゼミ」を企画していきたいと考えています。

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