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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

女子校フェアを終えて

2005/07/07(Thu)
こぐま会代表  久野 泰可

 7月3日、こぐま会恵比寿本校のすべての教室を使って、「第1回女子校合格フェア」を開催いたしました。大勢の皆様に参加していただき、ありがとうございました。
 正確な情報と合格に向けた正しい学習法を、指導の現場からお伝えしたいという想いで企画したフェアです。特に、受験生にとって最大の山場である「夏休み」を控え、効果的な夏休みの学習法を学校別にお伝えしました。今後も、機会あるごとに、正確な情報と子どもの発達に見合った、正しい学習法を公開していくつもりです。

 学校側が一切の情報を公開しない今の現状にあって、根拠のない噂話で足元をすくわれてしまわぬよう、私たちは、子どもを指導する立場から受験生の皆様に正確な入試情報を伝える責任があると考えています。そしてもう一つ。受験に関する情報をほとんど公開していない現在、しかし一方で、現職の校長や教頭が塾主催のセミナーに出席し、結果として塾の宣伝に利用されているようなゆがんだ現状を糾したい。また、子どもたちと日々接し、子どもたちの学力の現状を一番知っている現場教師だからこそ出来るフェアがあるのではないか・・・そんな想いでこのフェアを企画しました。私自身も3つのセミナーを担当し、セミナー終了後大勢の皆様から個別にご相談を受け、今受験生の保護者の方が、何でお困りかよく理解できました。そうした声を、教材作りや、講座作りに生かしていければ・・・と考えています。

 どの会場も、会員以外の外部生の方も大勢参加され、多くのご質問やご相談を受けました。その中で一番多かったのは、やはり合格に向けた勉強法に関する具体的な質問のようでした。現場教師としての経験を生かし、出来る限り子どもの立場に立った学習法をお伝えしましたが、そうした相談を通して私たちが一番心配しているのは、受験を4ヶ月後に控えた今、「難しい問題は出来るのに、基本となる問題で点が取れない」「たくさんのお勉強をしてきたが、何が基礎で何が応用かがはっきり分からず、基礎学力の点検の仕方が分からない」というような悩みをお持ちの方が大勢いらっしゃるということです。同じようなご相談はこれまでもたくさん受けてきましたが、こうした現実は、やはり過去問をこなすことが、受験対策だと思い込まされて勉強してきた結果ではないかと思います。学習の系統性や子どもの発達を無視して、ともかく入試で出された問題を、早いうちから訓練することが受験対策だと考えている指導者が多いのに驚いています。受験であろうとなかろうと、幼児期の教育には原則があるはずです。子どもの発達や基礎教育の方法について、専門的な知識を持った指導者が少ないことが、お受験をゆがめていく最大の原因だと思います。子どもが最初に出会う教師が、専門性を身につけた教師でなかったとしたら、子どもにとってこんな不幸なことはありません。

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