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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

正確な入試情報を

第129号 2007/11/30(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 今年の私立小学校の入試は、ほぼ終了し、あとは国立附属小学校の入試を残すだけとなりました。こぐま会では、恒例になりました「私立小学校入試分析セミナー」を、12月6日(木)に、新宿のサザンシアターで行います。今、学校別講座担当者は、できるだけ正確な入試情報を皆さまにお伝えしようと、多くの子どもたちや保護者から聞き取った入試問題の最終つき合わせ作業に取り組んでいます。

これまで得た情報から今年の入試の特徴を列挙してみると、次のようになります。
  1. 全体として問題は易しくなったが、工夫された問題が多い
  2. 言語領域の問題が増え、特に「一音一文字」に関する問題が増えている
  3. 予想したとおり、説明能力や発表力に関する問題が増えた
  4. 合否判定の方法については、いくつかの学校で変化している
  5. 補欠合格者の出し方には相当神経を使っており、発表の仕方を変えた学校もある
  6. 行動観察や手先の巧緻性など、学力試験以外の内容に工夫がみられる

学校ごとに見ていくと、まだまだ細かい変化が見られます。その点については年が明けてから行う「学校別分析セミナー」でお伝えするつもりです。来秋受験される方は、毎年変わっていく入試の実情をしっかり把握し、何が問われているのかを踏まえた入試対策をしていかなければなりません。また、学力だけで合否が決まっていくわけではありませんから、合否判定の方法をよく分析し、学習面だけでなく、普段の家庭生活や遊びの中で身につけていくべき行動面の対策もおろそかにしてはなりません。

3~4校すべてに合格した子がいる一方で、学力がありながら合格できなかった子がいる現実を考えると、「いったい何が合否を分けたのか」をしっかり分析しておくことが必要です。小学校入試が、中学や高校入試と同じように学力で合否が決まるなら、指導する我々も、こんなに楽なことはないと思うこともしばしばあります。学力以外の、わかりにくい視点で合否が判断されることに、ある種の理不尽さを感じるとともに、一方で、学力中心主義になった時の受験勉強の熾烈さを思うと、子どもたちの成長にとっては、学力だけでない入試のほうが、救いなのかもしれません。

学力以外に何が大事なのか。行動観察重視の入試で何が問われているのか。なぜ面談を重視する傾向にあるのか。結果が出たあと、「もう少し遊ばせておけばよかった・・・」とならないために、どんな考え方で入試に取り組んだら良いのか。今年の入試をしっかり分析し考えてみなくてはなりません。そのためにも、正確な入試情報を入手してください。

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