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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

年中夏からの受験対策

第109号 2007/07/06(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 来年秋の入試を目指す年中児の方々の入会相談が増えています。先週は年中児の会員の方々を対象に、11月から始まる「ばらクラス」への進級セミナーを行いました。その席で、入試の現状を報告し、これから入試まで、どんな考え方で学習を進めていったら良いのかをお伝えしました。

 今年も、6月以降多くの学校で「学校説明会」が始まり、来年受験される方も大勢参加されているようです。学校選びのために、1年以上前から学校説明会に参加されるのは、大変良いことだと思います。学校の教育方針と家庭の考え方が違っていたのでは、子どもが一番つらい目にあいます。また、小学校受験は、偏差値で入学試験の難易度が序列化されているわけではありませんから、「この学校で学ばせたい」という保護者の強い気持ちが何より大事です。公立に行かせたくないからとか、どこでも良いから私立に入れたいというような考えでは、どこにも合格できません。また、たとえ合格して入学したとしても、「こんなはずではなかった」と後悔することにもなりかねません。「模擬テストで何点取ればどの学校に入学できますか」・・・という質問が相変わらず多いのですが、中学入試や高校入試のような発想は、小学校入試には通用しません。学ばせたい学校の教育方針を理解し、入試の現状をしっかり把握して受験することが大事です。

 いくつかの学校ではすでに、学校説明会で報告があったように、入試の方法が変わるようです。母子面接がなくなり三者面接になる雙葉小学校や、今年受験する子どもたちの学年から中学校入試を廃止する方針を打ち出した聖心などでは、入試の内容や合否判定の方法が変わるのではないかといった噂も流れ始めています。それぞれの改革には学内事情が絡んでいることでもあり、ひとつの改革が、入試すべてを変えてしまうことはないと思いますが、どんなに変化しようと対応できる対策は考えておかなくてはなりません。

 1年数ヵ月後に入試を迎える年中児の皆さんの中には、この夏から本格的に入試準備を始める方も大勢みられます。どんな考え方で入試対策に臨めば良いのか、セミナーでお話したことをまとめてみたいと思います。
(1)入試の内容や方法は、学内事情を反映して毎年変わる可能性があるので、正確な入試情報や学校情報を持つこと
(2)1年間の子どもの知的発達には、めざましいものがあるので、発達の現状や理解力の深まりに応じて、学習する内容を順序だてる。難しいことを早くわかってほしい保護者の方の気持ちは理解できるが、1年近く前から過去問を解かせるような学習方法では、子どもの基礎学力は育成できないし、応用力は身につかない
(3)入試のためだけの学習ではなく、幼児期の基礎教育を充実させるという考え方にたって、年齢にふさわしい問題解決能力を育てる
(4)ペーパートレーニングを先行させた学習では、現在の入試で求められている論理的思考力は育たない。事物を使った教育や、対話を通して理解を深める教育を家庭でも心がける
(5)ほとんどの学校で、合否の判定が子ども本位の実力主義になってきているが、実力主義イコール学力主義ではないということをしっかり理解しておく必要がある
(6)第一志望校を出来るだけ早く決め、志望する学校の傾向に合わせたトレーニングを遅くとも入試10ヶ月前から始める

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