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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

第3回女子校合格フェアが始まりました

第100号 2007/04/27(Fri)
こぐま会代表  久野 泰可

 第3回女子校合格フェアの第1部が、4月22日に行われました。恵比寿本校と東京国際フォーラムの2箇所で、学校別セミナーや発達診断テスト・体験授業を行いました。また今年初めて、卒業生を迎えての「合格体験ディスカッション」も行いました。29日には、第2部として22日に扱えなかった学校の合格セミナーや発達診断テストを行う予定です。

 今年で3年目になるこの女子校合格フェアは、正確な入試情報と正しい受験対策のあり方を、指導の現場からお伝えしたいと考え企画したものです。学校側から情報開示のないまま、うわさだけが一人歩きする小学校入試に関し、できる限り正確な情報を伝え、そのうえで冷静な判断をしていただきたいと考えているからです。また、最近は特定の塾に私立の小学校の校長や教頭が出向いて話をするケースが増えています。学校の教育方針を伝える場が増えたことは好ましいことだと思います。しかし、これから受験する保護者の立場からすれば、その場で学校関係者にお会いできれば、入試に関することが聴けるかもしれない、またそこで関係ができれば合否判定に有利になるかもしれないという期待(幻想?)を持ってしまうものです。私は35年間この仕事に携わってきましたが、学校関係者が塾に出向いて話をするということが頻繁に行われるようになったのは、小学校入試に関しては7~8年前ぐらいからではないかと思います。塾の会員だけでなく、一般の方も参加できる開かれた集まりではあるようですが、その分かえって塾の宣伝に使われやすいということが、学校関係者にはわかっているのでしょうか。学校説明会があるわけですから、その回数を増やすなりして工夫すれば、学校の教育方針は伝わるはずです。わざわざ、特定の塾に出向いて話をしなければならない事情があるのでしょうか。私は、その前にすべきことがあるのではないかと思います。つまり公平に入試に関する情報を開示するということです。中学校以上の入試では当たり前のように行われている入試問題の公表が、数校を除いて全くなされていない今の現状を少しでも改善してくれるほうが、受験者にとってどれほど意味があることか。その入試の準備のために、どんな生活や学習をすれば良いのかを学校側が述べれば、今のゆがんだ、子どもに負担のかかる準備教育はなくなっていくはずです。子どもの発達や理解の筋道を無視した間違った準備教育が、子どもの心までゆがめてしまう現状を学校側は承知しているのでしょうか。特定の塾に出向く前に、まずすべきことは、入試に関する情報開示の努力です。

 私がこの女子校合格フェアを行う決意をしたのは、何も明らかにしない今の現状にあって、子どもを指導する現場の人間が声を上げなければ、ゆがんだ現実は何も変わらないと考えたからにほかなりません。子どもの立場に立って入試問題を分析すれば、「何が難しいのか」、「学校側はその問題でどんな能力を求めているのか」・・・そうしたことが保護者に伝わり、冷静にまた着実に準備教育が進められるのではないかと考えています。入試の現状が正確につかめれば、まともな子育てとまともな基礎教育によって、入試にも十分対応できることがわかるはずです。29日に行う第2部は、恵比寿本校のみの開催になりますが、大勢の皆さんの参加をお待ちしています。

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