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週刊こぐま通信
「室長のコラム」

ひとりでとっくん第100号が完成します

2005/03/23(Wed)
こぐま会代表  久野 泰可
 こぐま会は、幼児期の基礎教育の充実をめざして、22年間恵比寿で教室を運営してきました。教科前基礎教育の理念を掲げ、事物教育と対話教育を中心に、発達に見合った内容と方法で実践を積み重ねてきました。当然、カリキュラムも教具・教材もすべて手作りです。今でも毎年、子どもたちの理解する過程を検証し、常に手直しをしながら新しい試みに挑戦しています。
 そうした過程で生み出された教具や教材を、「こぐまオリジナル教材」として、教室に通えない多くのお子様のために、書店を通して販売してきました。今では、北海道から九州まで主要都市の書店で取り扱ってもらっています。小学校受験があるなしに関係なく、また、今では幼児だけでなく、発達障害のある小学生や、お年寄りにも使ってもらっており、作り手としては大変うれしく思っています。
 教材の中心となる、「ひとりでとっくんシリーズ」も、現在第100号の発行準備をしており、近いうち店頭に並ぶと思います。1987年に「ひとりでとっくん」第1号を発行してから18年かけて目標の100号まで到達したわけですが、最近の私たちの実践の成果から見て、このシリーズも100号で終わりではなく、まだまだ続くと思います。
 ところで、このひとりでとっくんシリーズだけでなく、すべての「こぐまオリジナル教材」は、授業用に開発した手作り教材を基に、家庭用に作り直したものです。そのすべてが、どこかのものをまねたのではなく、教室での授業を通して独自に開発し、実際に使ってみて点検・修正してから、完成品として世に送り出しているのです。こうして苦労して作った教材ですが、私たちの意図に反し、個人塾や幼児教室において、こぐま会の名前を消してコピーし、さも自分たちが独自に作ったかのように偽装し、隠れて使っているところがたくさんあることを、大勢の方の投書で判明しています。私は、そうした指導者に、一言言いたい。「高い月謝を取っているのなら、自分が教室で行う指導ぐらい、学習目標に即して、使う教材は自分で作りなさい。それが、教育者の最低限のモラルでしょう。」
 だいぶ以前ですが、こぐま会の教材を愛用していただいている方から、「自分の通っている塾では、こぐま会の教材をコピーして、新たに値段をつけて売っている。」という訴えを聞きました。幼児教育の世界では名の通った先生のようです。又、最近ではこぐま会の教具教材の類似品がたくさん出回っているということもわかってきました。「はしのおけいこ」はこぐま会のヒット商品ですが、それを真似て売出したり、ひとりでとっくんシリーズの内容や体裁を真似たペーパー教材が出回っているようです。教室での授業を通じ、私たちが時間をかけて子どもたちから学んで作った貴重な財産を、商売の道具にされてしまうことへの強い憤りを覚えます。こうした、知的財産を盗み取るような行為が今後も続くようであれば、法的な手段に訴える構えでおります。
 しかし、幸い保護者の方たちの見抜く目は肥えていますから、どちらが本物で、どちらが偽物かはいずれ判明し、自然に淘汰されていくでしょう。

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