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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎27 数の増減 数の変化を考える その2 数の減少

2009/3/6(Fri)
 前回までは「数の増加」について考えてきましたが、今回は「数の減少」についてみていきましょう。
「ひとりでとっくん46 数の増減」 の中に次のような問題があります。

 左のお部屋の中の数が、真ん中のお部屋のように減っています。いくつ減りましたか。右のお部屋にその数だけを描いてください。
解答
上から順番に 3個、4個、6個、6個

 前回の数の増加は将来「たし算」につながっていきますが、今回の数の減少はひき算につながっていく内容です。たし算とひき算を比べたらひき算の方が難しいのです。それは、ないものをイメージしなくてはならないためです。

一番上のジュースの問題で考えてみましょう。ジュースが何本減ったかを考えるためには、はじめのジュースと後のジュースを比べればいいのです。はじめに7本のジュースがあり、何本か飲んでしまったので4本になってしまったのですから、初めの7本のジュースのうち4本のジュースを今残っているジュースと考えてみれば、残りは飲んだジュースとなりますから3本飲んだとわかります。

しかし、なかなか子どもはそのようにはじめと終わりの2つのことを関連付けられないことが多いのです。前の7本をあまり見ないで後の4本を中心に考えると、この問題は難しくなります。この4本を見て何本飲んだかを考えるためには、飲んでなくなった3本をイメージしなければならないからです。そして、その3本は描いてありません。もし、これが逆に増加の問題で、はじめに4本描いてあり、その後に7本描いてあり、何本買ってきましたかという問題であれば、たとえ後ろの7本しか見ていてなくても、そこには増えた3本が描いてあるので比較的考えやすいのです。

小学校に入っても、低学年でも高学年でもひき算の問題を多く間違えます。それは、このようにひき算はないものをイメージすることが前提になっているから難しいのです。

この問題ははじめと終わりの数から減った数を求める課題ですから、逆思考的な問題です。本来のひき算の考え方はこの逆です。「はじめにジュースが7本ありました。3本飲んでしまいました。何本残りますか。」というように、初めにあった数から飲んでしまった数を取り、残った数を求めます。この考え方は「求残」といい、ひき算の最も典型的な形です。ひき算にはほかに「求補」という考え方と「求差」という考え方がありますが、これらの考え方については、また別の機会にお話しします。とにかく初めは、こうした減少の問題をしっかりとトレーニングする中で、残りを求めるというひき算の考え方を確実に身につけていってください。

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