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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎20 数の構成 5の構成

2008/12/5(Fri)
 今回から「数の構成」について考えていきましょう。「数の構成」は数がいくつといくつでできているかを理解することです。数の構成をしっかり身につけていると、小学生になって計算が速くできるようになります。何も算数は計算が速くできるだけが学力ではないのですが、早く計算ができないと算数が嫌いになるひとつの要因になります。これは特に低学年において顕著といえます。例えば、5+3、8-2、などの10以内の計算問題が10題くらいあったとします。隣の子が1分でできたのに自分は3分かかったとすると、自信がなくなってしまいます。

 数の構成は「10の構成」がひとつのポイントになります。それは、繰り上がりのある足し算や繰り下がりのある引き算において10が頻繁に使われるからです。例えば8+6の計算は、昔は8から9、10、11、12・・・・と6つ数えて、14という答えを導き出しました。ところが今は、繰り上がりのある計算はまず10を作ることを考えます。8と6では、8の方が6より10を作りやすいです。8に2を足せば10が作れるので、6を2と4に分けます。そして、8に2をあげて10とします。それに残った4を合わせて14という答えを出します。

 次は繰り下がりの場合を12-7で考えてみましょう。これもこれまでは、12から7つ数え引く方法でした。今は、まず10から7を引き、3を出します。その3に12の残った一の位の2を合わせて5と答えを出します。このように繰り上がりでは10を作る、繰り下がりでは10から引くことが必要とされるので「10の構成」が大切な考え方になります。

 しかし、すぐに「10の構成」が理解できるわけではありません。10に行く以前に7、8、9の構成を考えていき、段階的に指導していくことが必要です。
6~9までの数を指導していく上で、その基礎になるのが5です。現在はタイルを使って数を指導していくことが多いと思いますが、その際6は5のタイルに1のタイルを合わせたもの、7のタイルは5のタイルに2のタイルを合わせたもの・・・・と言うようにすべて5を基準に考えていきます。この「5の構成」は例えば次のような問題です。

 5人いたお友だちが1人ずつ帰りました。それぞれの家に残っている子どもたちを見て、帰った人数だけ下のお部屋にをかいてください。(「ひとりでとっくん38 数の構成」より )
解答
右から 3個、2個、4個、1個

 この問題は、上の家の中に5人の子どもがいる絵を見ながら考えていけば容易に理解することができると思います。しかし、本来ならばこの5の構成の問題であれば、絵を見なくてもすらすらとできることが必要とされます。これがスムーズにできないと、この後必要とされる6~9の構成は早く正確にできないことになります。数の構成はこうしたペーパーをやる前に具体物を使って練習することが大切ですし、そうする方がペーパーよりもはるかに効果的だと言えるのです。例えば、この5の構成であれば、5個のミカンを子どもの目の前において5個あることを確認させた後で、子どもに目をつぶらせて何個かを隠します。目を開かせて、残ったミカンの数から、いくつ隠したのかを当てるゲームを行うと良いでしょう。ともかくこの練習を繰り返し行い、残りの数を見ただけで、ぱっと隠した数が頭に浮かぶように徹底して練習するといいと思います。そのことが今後の構成の基礎になるのです。

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