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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

数 基礎14 分類計数2

2008/08/01(Fri)
 以前このコラムで、「分類計数」について書いたことがあります。「数を数えることはどんなことか」ということから始まり、実際の分類計数の問題の解き方を考えていきました。詳しくは、「今何を学習すべきか? 10 数 基礎 分類計数」をご参照ください。このコラムを書いた当初は、「分類計数」に関する「ひとりでとっくん」は1冊しかなかったのですが、それをリニューアルして、いろいろな問題を付け加え、「分類計数1」と「分類計数2」の2冊にしました。では、これから何回かにわたって「分類計数」で求められている考え方についてみていきたいと思います。

「ひとりでとっくん16 分類計数1」 の中に次のような問題があります。

  • 数が4つあるものを探して、下のそのお部屋にをつけてください。
  • 数が7つあるものを探して、下のそのお部屋にをつけてください。
  • 数が9つあるものを探して、下のそのお部屋にをつけてください。
(設問中の数詞に関しては、問題の中の果物や野菜に丸いものや細長いものが混じっていて、「~個」「~本」と限定できないので、このように「~つ」というような表し方で、出題しています。)

(解答)
カボチャに、ダイコンに、ミカンに

 「分類計数」は、いろいろなものの中から指定されたものの数を数え、それがいくつあるかを考える課題です。たくさんのものを分類して数えるので、こうした名前がついたのでしょう。その点から考えると、この問題はすでに分類してあるものを数えるのですから、どちらかというと「同数発見」的な問題と言えます。ただ「同数発見」と違うところは、「同数発見」の場合は、あるものの数を数え、それを覚えておいて探します。それに対してこの課題は、数が指定してありますので、初めにものを数える過程が省かれているので、それよりはやさしいと思います。ですからこれは「同数発見」の前段階の学習となります。

もう少し詳しくここでの思考過程を考えてみましょう。この課題ができない子は、何度も何度も同じものを数えてしまいます。数に関しての理解が不十分なのです。例えば、7個あるものを数えても、それが物が7個集まったものだという認識が薄いのでしょう。「1、2、3、4、・・・7」と7まで数えはしても、ただ数を唱えているのに過ぎないことだと思います。実際の授業でも、このように具体物を7まで数えられても、「いくつあるの?」と聞いても、「わからない」という子もいました。

ですから、この課題は簡単そうに見えても、なかなか難しい問題だと思います。はじめの4は理解できても、次の7や9でつまずく子も多いと思います。もしつまずいたときは、ペーパーだけに頼るのではなく、ぜひ具体物を使って練習してください。例えば7を理解させるのであれば、いろいろな7つの具体物を数えさせたり、それと同じ数だけおはじきを出させたり、を描かせるなど、必ず手を通して理解することをお勧めします。
また、数は日常生活と非常に密着しています。ですから、いつも数を意識させ、「~をいくつ取って」とか、「ここにあるものはいくつ?」などの問いかけを多くして、常に数を意識させると良いと思います。

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