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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

位置表象 応用3 他者から見た右・左

2008/07/18(Fri)
 前回は生活空間の中での右・左について扱ってきましたが、今回は、自分ではなく他の人から見た場合の右・左について考えていきましょう。「ひとりでとっくん30 右・左」 の中に次のような問題があります。

  • クマくんから見て右から3番目のウサギにをつけてください。
  • クマくんから見て左から7番目のウサギにをつけてください。
(解答)
こちらから見て左から3番目のウサギに、こちらから見て右から7番目のウサギに

 これまでの右・左の判断はすべて自分の方から見たものでしたが、これは反対側にいるものの視点で考えられるかという問題です。この時期の子どもの思考の特色は「知的自己中心性」といわれるもので、自分の視点以外からものを見ることができにくいという思考の特徴を持っています。この問題の右・左は、今時分が見ているものとは反対になりますが、なかなかそれが理解できずに、どうしても自分の方から見た右・左で判断して間違えてしまいます。これができるようになるためには、何が必要なのでしょうか。

簡単に言ってしまえば、「反対側から見たときには、右・左がこちらから見た場合とは逆になる」のです。しかし、それを機械的に教えても、そのときにはわかるのですが、問題の角度が変えられたとき、例えば、反対でなく、右や左から見た場合などにおいては、理解できなくなってしまいます。ですから、このことは教えるのではなく、子どもたちに気づかせることが大切なのです。

気がつくようにするためには、ペーパーだけではなかなか解決しません。それは、ペーパーでは場面がイメージしにくいからです。具体物を使って経験することが大切です。家にあるぬいぐるみなどの人形をいくつか横1列に並べて、このことを練習するといいでしょう。例えば、6つぬいぐるみを並べたとき、クマが自分の方から見て、右から3番目にいるとします。それを反対の方から見たら、左から3番目になります。これは、クマを背中の方から見た場合と、前の方から見た場合の2つで考えられるので、区別もつきやすいのではないでしょうか。こうした体験を積んだ後でペーパーを行えば、場面がイメージしやすいのではないでしょうか。

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