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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

その23 数 基礎 分類 二者の異同

2005/12/15(Thu)
 二者の異同は、二つのものを比べてそれぞれの似ている所、違うところを言語化する課題です。代表的なものは、次のような問題です。

フライパンと鍋の似ている所と違うところはどこですか。

似ている所
  • 両方ともお料理を作るもの。(用途)
  • 両方とも鉄(金属)でできている。(材質)
  • 両方とも丸い。(形状)
違う所
  • フライパンは浅い(背が低い)けれど鍋は深い(背が高い)。(形状)
  • フライパンは持つところが1つしかないけれど、鍋は2つある。(形状)
  • フライパンは、焼くときに使うけれど、なべは、煮るときに使う。(用途)

 それぞれの後ろの( )は、分類観点を表したものです。ご覧のように二つのものの似ている所と違ったところを言語化していくためには、いろいろな観点に気がつかなくてはならないのです。ですから、こうした観点を変えたものの見方が育っているかを見るために、この課題は小学校入試はもちろん、個別で行う知能テストの中にもよく出題される課題なのです。

 それでは、どうしたらこの課題が出来るようになるのでしょうか。基本的には、実際にいろいろな具体物を比べてその相違点や共通点をしっかりお話していくことだと思います。比べる二つのものについては、まったく異なるものでは、共通性を言語化することが出来ませんから、少しは共通性のあるものがいいでしょう。上のフライパンと鍋などがその例ですが、他に、「おわんと茶碗」、「ダイコンとニンジン」、「自転車とオートバイ」、「飛行機と鳥」などいろいろなものが考えられます。

 二者の異同を行うときには具体物で行うと、子どもはどうしても見えるものに中心化してしまいますから、目の前にあるものの特徴だけを言います。上の例で言えば、形状について言っているものです。用途などは、使っている場面をイメージ化しなくてはならないため、とてもいいにくいのです。 また、材質も子どもにとっては、なかなかつかみにくいものです。 二者の異同をご家庭で行うときは、この点に注意して下さい。はじめは、形状についての異同を言っても仕方ありません。「もっとないの?」と問いかけて、どんどん言わせて下さい。だんだん苦しくなり、具体物のいろいろなところを見て、何か同じところ、違うところがないかをさがして、それについて言語化できるようになってくると思います。

 また、似ている所よりも違うところのほうが目に付かずに、言いにくいものです。共通性がしっかりいえているかどうかが理解度を示し一つのポイントです。

 最近は、2つのものを比べるのではなく、「かぼちゃ」をひとつだけ出して、それについて知っていること、もったり触ったりして、わかることを言語化するような、ひとつのものを説明するような課題が青山学院初等部の問題で出されています。ひとつのものについてでも、自分の五感を総動員してお話できるように練習して下さい。「ひとりでとっくん90 私は誰でしょう」 の始めの方に、このひとつのものを雪面する問題が載っていますから、参考にして下さい。

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