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週刊こぐま通信
「今何を学習すべきか」

その24 数 応用 数のやりとり

2005/12/22(Thu)
 前回までは、分類についていろいろと見てきましたが、今回は数の操作に戻って、基礎学習を踏まえた応用的な問題について考えて行きたいと思います。今週は数のやりとりについてです。
 数のやりとりについては、次の二通りがあります。

  • 太郎君はアメを7個、花子さんは5個持っています。太郎君が花子さんにいくつアメをあげたら,二人のアメの数は同じになりますか。
  • 太郎君と花子さんは5個ずつアメを持っています。太郎君が花子さんに1コアメをあげると、花子さんは太郎君より何個多くアメを持っていることになりますか。


 1. は数の違っているところからやりとりして同じにする場合、2. は同じ数のところからやりとりして数の違いが出る場合です。基本的には、1. の方が 2. よりも易しい課題だといえます。しかし、ここで注意しなくてはならない点は、アメを二人の間でやりとりしていることです。二人の間でやりとりしていないのであれば、どこからか2個アメを持ってくれば同じになります。しかし、この場合太郎君のアメを2個花子さんにあげたら、太郎君は5個、花子さんは7個になり二人の立場が逆転してしまいます。したがって、この場合は、1個あげればいいことがわかります。同じ数にするやりとりの場合は、必ず片方が増えたら、片方が減ります。そこで、二人の数の違いを求めて、その半分を少ない方にあげると同じになることを原則として理解しておくとよいと思います。
 このことは、具体物を使って下のように並べて考えるとわかります。子どもにとってもこの考え方はよく理解できるようです。

1. 太郎君  ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
花子さん ○ ○ ○ ○ ○
2. 太郎君  ○ ○ ○ ○ ○
花子さん ○ ○ ○ ○ ○

 しかし、2. の課題は子どもにとって難しいようです。それはなぜでしょうか。ここで間違えるもっとも多い例が、「花子さんの方が1個多くなる。」という答えです。これは、花子さんが1個もらったということに注目して、太郎君が1個少なくなったということに目を向けていないことによる間違えです。やりとりでなくどこからか1個持ってくるのであればこれでいいのでが、ここではやりとりをしているのですから、太郎君にも、花子さんにもどちらにも注目して考えなくはなりません。花子さんが1個増えたと同時に太郎君は1個減ったという関係性をすぐに捉えられなければこの問題は解決しません。
 ご家庭で、このやりとりを行っていく場合は、まず 1. のような数を同じにする場合を練習して下さい。そこで、やりとりの意味を十分につかませてから、2. のような同数から差が出る場合を練習して下さい。この場合、お母さんと子どもでおはじきを5個ずつ持って、じゃんけんして負けたら相手に1個おはじきをあげるという「じゃんけんゲーム」をするといいと思います。はじめは、上の図のように、おはじきを子どもに見えるように、5個ずつ並べて、考えていくとやりとりをしたときには、片方が減り、片方が増えることがよく理解できると思います。そして、その後にはおはじきをポケットの中に入れて、相手のおはじきの数が見えないようにして行ってください。この場合でも、自分だけでなく、相手のおはじきの数に注目できれば、この数のやりとりは理解できたといっていいでしょう。  この後は、「ひとりでとっくん62 数のやりとり」 を使って、いろいろな場合のやりとりを考えてください。数が同じ場合だけでなく、はじめから数の違う場合なども練習して下さい。

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